人気温泉旅館ホテル250選に5回以上入選の宿 特集記事

SPECIAL FEATURES

特集

雲海と星空の絶景 「ソラテラス」&「満天ビューテラス」

画像:ソラテラス

ソラテラス

 世界最大級166人乗りロープウェイで行く雲上の世界が竜王マウンテンリゾートの「ソラテラス」。空気が澄んでいれば高社山・斑尾山・妙高山が重なって見え、北アルプスや佐渡島まで望むロケーション。下界が雨や曇りの時こそがチャンスで、言葉を失うほどの絶景が広がる(2025~2026年の営業期間は未定。詳しくはryuoo.comへ)。
 また、横手山・渋峠スキー場の山頂、標高2307mにあるのが「満天ビューテラス」。眼下に志賀高原、遠く日本アルプスの眺望とパノラマが広がっている。最大の見どころは空気が澄んだ夜の天の川や星空。秋にはダイナミックな雲海と紅葉の美しさ、冬には関東・甲信越で唯一といわれる樹氷も楽しみだ。

湯田中・渋温泉郷

 長野冬季オリンピックの開催や、温泉に入る猿で知られる地獄谷野猿公苑の存在、そしてCNNの「2018年のCNN・訪れるべき世界の観光地18カ所」に長野県が選ばれたことから世界から一躍脚光を浴びた温泉郷。長命長寿の湯「養遐齢」と名付けられた大湯をはじめ9つの共同浴場めぐりが楽しめる湯田中温泉と、旅館と外湯がすべて源泉100%掛け流しの渋温泉、志賀高原麓の自然の中に静かに佇む上林温泉の総称が湯田中・渋温泉郷だ。

画像:地獄谷公苑

地獄谷公苑

湯田中温泉

 近年、地元有志による地域活性をめざした施設が相次いで誕生し、話題を集めている。舞台は湯田中駅から続くメインストリート。空き地や空き店舗、空き旅館を再利用したバー、レストラン、カフェなどが楽しい街歩きのひとときを演出している。泉質は塩化物泉、硫酸塩泉。

画像:湯田中・一沼 湯田中・一沼

渋温泉

 約1300年の歴史ある湯どころ。宿泊客も楽しめる「九湯めぐり(厄除巡浴外湯めぐり)」が定番。祈願手ぬぐいにスタンプを押しながらめぐれる。泉質はナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉など。地元の人々の語らいも楽しい。

画像:渋温泉・厄除巡浴外湯 渋温泉・厄除巡浴外湯

山田温泉

 信州高山温泉郷のひとつ、紅葉の名所としても知られる山田温泉。深いV字型の松川渓谷に架かる赤い橋「高井橋」がひときわ美しい。約800年前に発見された元湯が1798年に現在の場所に引き湯されて温泉街が形成された。一茶、山頭火など多くの文人墨客も訪れている。泉質は含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉(硫化水素型)。湯の花が浮かび、硫黄香が漂い、口に含むと塩味がする。著名な唐破風の木の共同浴場かけ流し温泉「大湯」は施設不調で現在休業中。営業再開の折にはぜひ。

画像:山田温泉 大湯 山田温泉 大湯

野沢温泉 

 日本で唯一、村の名に「温泉」を冠した野沢温泉村。江戸時代から湯仲間という制度によって守られてきた外湯は、美しい湯屋建築の大湯をはじめ13湯。泉質は単純硫黄泉と含硫黄-ナトリウム・カルシウム-硫酸塩泉で外湯めぐりで湯くらべが楽しめる。天然温泉100%掛け流しの温泉は常に清潔に保たれて心地良く、村人とのコミュニケーションも弾む。野沢温泉初の名誉村民、岡本太郎氏の「野沢の乙女」像などを見ることができる。

画像:大湯(外観) 大湯(外観)

「特別な地」、塩田平体験

 室町からかまくら時代の文化財がまとまって集まる稀有な地、塩田平。先人たちはこの地が特別であることを後世に伝えようとした。例えば「別所温泉」と「生島足島神社」「信濃国分寺」は1本の直線状に配置されている。生島足島神社は夏至には東の鳥居から太陽が上がり、冬至には西の鳥居に沈む。つまり鳥居の中を太陽の光が通り抜け、神々しくぬくもりのある輝きを享受できる仕掛けだ。
 また、数多くの寺社に中国の高僧や多くの学僧が訪れているが、その理由は山々を背にした豊かな湯に心まで洗われる別所温泉があったことが大きいとされる。温泉街中心にある北向観音堂は「南向きの」長野善光寺と「両参り」することで御利益が増すとされる。こうして僧たちの特別な場所であった温泉地は、転じて「別所」と名付けられた。このストーリーは日本遺産でも紹介されているので観光のご参考に。

画像:生島足島神社

生島足島神社

別所温泉

 安楽禅寺の国宝「木造八角三十塔」など多くの寺社仏閣のあることから「信州の鎌倉」と称される別所温泉は、1400年の歴史を誇る信州最古の温泉地。厄除と現世利益を願う北向観音の下から湧き出る温泉は美人の湯としても名高いPH8.0~9.0の単純硫黄泉で、枕草子にも「七久里の湯」として登場する。街歩きの際には、真田の隠し湯「石湯」、木曾義仲と北条氏ゆかりの「大湯」、円仁慈覚大師が好んだ「大湯」の外湯めぐりも楽しめる。

画像:真田の隠し湯・石湯 真田の隠し湯・石湯

日本百名山41座を一挙展望

 美ヶ原高原の主峰は標高2034mの王ヶ頭(おうがとう)。火山の侵食でできた台地は何も遮るものがなく、富士山をはじめ、北アルプス、中央アルプス、南アルプス、乗鞍岳、御嶽山、浅間山などを一望する360度の大パノラマが広がっている。なんと日本百名山に名を連ねる41名山を見ることができ、「アルプスの展望台」とも称えられている。レンゲツツジやドウダンツツジ、樹氷やダイヤモンドダスト、雲海など季節の彩りも心に残る。箱根彫刻の森美術館の姉妹館「美ヶ原高原美術館」も必見だ。

美ヶ原高原

美ヶ原高原

画像:王ヶ頭ホテルモニュメント

王ヶ頭ホテルモニュメント

王が鼻

王が鼻

美ヶ原温泉

 日本一広い高原台地として知られる美ヶ原高原。歴史は奈良時代に遡り、日本書紀に「天武天皇が束間の温湯に行幸せんと、三野王に信濃の国の地形図を献上させた」との記述が残る。薬師堂入口には平安時代中期の宮廷歌人源重之が詠んだ後拾遺和歌集の句碑も建ち、多くの人に親しまれてきた往時を思い起こさせる。江戸時代には松本藩の御殿の湯として「山辺茶屋」が造られ、軒を連ねる老舗旅館が今も歴史的由緒ある落ちついた雰囲気を漂わせている。名湯「束間の湯(つかまのゆ)」の泉質はアルカリ性単純泉。

美ヶ原温泉街 美ヶ原温泉街

城下町松本、湧水散歩。

 国宝松本城をはじめ、草間彌生など松本出身の芸術家の作品を収蔵した松本市美術館、柳宗悦の民芸運動にちなむ松本民芸館など数多くの観光スポットがひしめく松本は、別名「水の街」。地下水が豊富で市街地にも多くの井戸や湧水があり、「まつもと城下町湧水群」として「平成の名水百選」に選定されている。
例えば、松本城の堀の水の行方をたどる散策路は「北門大井戸」「片端の総堀」「東門の井戸」「外濠小路」「ナワテ横丁」「緑橋」「女鳥羽川」など。松本城見学の折にはぜひ。NHKの番組「ブラタモリ」でも紹介され話題になった。店々をのぞきながらの散策も楽しい。

画像:松本城

松本城

白骨温泉

 乗鞍岳東山麓、梓川が流れる森の谷間に佇む秘湯。鎌倉時代にすでに湧出し、江戸元禄年間に温泉宿が開かれた。大正時代に中里介山の「大菩薩峠」に白骨の名が登場し、その名が定着したことで知られている。
温泉は単純硫化水素泉、炭酸水素塩泉。ほとんどの宿が単純硫化水素泉だ。飲泉すれば特に胃腸病に効能がある。現在は東京新宿や岐阜平湯方面からの高速バスが運行し、電車とバスを乗り継がなくてもアクセスできる。上高地観光にも便利な温泉地だ。

画像:白骨温泉

白骨温泉

画像上高地

上高地

扉温泉

 八ヶ岳中信高原国定公園内、美ヶ原に源流を発する薄川上流の渓谷に沿う標高1050mの閑静な地。扉の由来は、天の岩戸神話に因む。この地に90年を超える歴史を刻む宿が、小宿から世界に冠たるルレ・エ・シャトーの宿にまで発展したウェルネスリゾート明神館だ。泉質はアルカリ性単純泉。湯は肌にも優しく、胃腸病に効くことから“東の扉温泉、西の白骨温泉”とも称されている。手つかずの自然という表現がこれほど似合う温泉地は全国でも数少ない。

画像:扉温泉 扉温泉

ビーナスライン「国宝・名画の地」見学ドライブ。

 茅野市と美ヶ原高原を結ぶ全長75.2㎞のドライブコース。東京方面から中央自動車道をロングドライブして、そのままビーナスラインへと突き進むのもおすすめだ。立ち寄りたいのが「尖石縄文考古館」。国宝「土偶」の『縄文のビーナス』と『仮面の女神』に出会える。縄文好きなら日本遺産「星降る中部高地の縄文世界~数千年を遡る黒曜石鉱山と縄文人に出会う旅」をご参考に。縄文人の心にまで触れるドライブになる。もう一カ所立ち寄りたいのが巨匠東山魁夷の作品「緑響く」のモチーフになった御射鹿池(みしゃかいけ)だ。水面に背景の森が映り込む風景はいつまで見つめていても飽きることはない。高原にニッコウキスゲが咲き競う頃のドライブが特に人気を博している。

画像:ビーナスライン

ビーナスライン

白樺温泉(池の平)

 霧ヶ峰や蓼科山など、標高1400mを超える高原の自然に彩られた白樺湖畔。池の平ホテル&リゾーツが保有する自家源泉、北八ヶ岳・蓼科山の秘湯「樽ヶ沢温泉」が配されている。泉質はカルシウム・ナトリウム-硫酸塩泉。八ヶ岳周辺には数多くの秘湯があるが、白樺温泉は最新リゾートの華やぎの中にある。広大な敷地内には「森の3つの美術館」や「世界の影絵・きり絵・ガラス・オルゴール美術館」、ファミリーランド、動物王国など1日では楽しみきれないほどの施設を備えている。

画像:白樺湖・蓼科高原

白樺湖・蓼科高原

画像:ニッコウキスゲ

ニッコウキスゲ

アーティスティック・ホリデー

 おすすめはアート散策。エミール・ガレやドーム兄弟、東山魁夷や山口華楊などの作品を展示した「北澤美術館」、温もりあふれる作風で知られる「原田泰治美術館」、オルゴール組立体験工房のある「ニデックオルゴール記念館 すわのね」、国内最大級のガラスショップ「SUWAガラスの里の美術館」などを見て回れる。甲州街道沿いでは「諏訪五蔵」と呼ばれる酒造めぐりでは飲み比べも大歓迎だそうだ。銘柄は舞姫、麗人、本金、横笛、真澄。

画像:Suwaガラスの里

Suwaガラスの里

画像:原田泰治美術館

原田泰治美術館

上諏訪温泉

 諏訪大社の門前町であり、甲州街道の宿場町としても栄えた温泉地。泉質はアルカリ性単純温泉、炭酸水素塩泉。誰もが楽しめるのがステンドグラスや彫刻で装飾された千人風呂で知られる片倉館。絹織物貿易で富を得た片倉財閥が建てた社交の湯で映画「テルマエ・ロマエⅡ」にも登場した。諏訪大社観光なら、上社「春宮」では諏訪神社にまつわる貴重な資料を見学できる「神長官守矢史料館」へ。下社「秋宮」を訪ねるなら徒歩約5分の「万治の石仏」へ。岡本太郎が絶賛し、作家新田次郎も小説に著している。

画像:片倉館 片倉館

星空鑑賞の「聖地」へ

 マイカーで昼神温泉を訪れたならぜひ楽しみたいのが、標高1200mの「浪合(なみあい)パーク」で眺める日本一の星空。星が最も輝いて見える聖地だ。おすすめは「星空デッキ」。望遠鏡やカメラの設置スペースに光を通さない幕が設置され、周囲の灯りを気にせずに観測できる。おおいぬ座のシリウスやオリオン座などの明るい星が多く、空気が澄む冬が絶好の星空観賞シーズンだ。このほか星空鑑賞会、星空撮影会にも参加できる。

画像:星空周回運動

星空周回運動

画像:天体望遠鏡

天体望遠鏡

昼神温泉

 信州最大の温泉郷。伊那谷と木曽谷を結ぶ国道256号線は約40kmにわたって花桃が植えられた「はなもも街道」として知られ、4月中旬から下旬にかけて美しいドライブコースとして賑わう。阿智村の「花桃の里」でも約5千本もの「三色花桃」が開花し、まさに桃源郷さながらだ。福沢諭吉の娘婿がドイツのミュンヘンから苗を持ち帰ったことが始まりだそうだ。昭和48年に発見された温泉は美肌の湯として名高いアルカリ性単純硫黄泉。とりわけ女性に人気が高い。

画像:昼神・山桃の里 昼神・山桃の里

Language