人気温泉旅館ホテル250選に5回以上入選の宿 特集記事

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光の夜を散策 湯けむりルミナ、雪灯路

定山渓の夜を彩るイルミネーション、定山源泉公園・岩戸観音堂・ぬくの森・おもひで屋横で毎晩18時~22時に行われる「湯けむりルミナ」。大きな足湯に浸かれる定山源泉公園では、木々のライトアップや「美泉の滝」のプロジェクションマッピングが楽しめる。また、冬の人気イベントが渓谷の温泉地ならではの雪の芸術祭「雪灯路」。メイン会場の「祈りの森」では温泉街の人たちが手作りした約千個のスノーキャンドルがあたたかに灯り、プロジェクションマッピングとイルミネーションが織りなす幻想的な光に包まれる。

定山渓温泉

札幌の奥座敷と呼ばれ、札幌中心部から車で約50分の豊平川渓谷に佇む温泉街。泉質は無色透明で保温効果の高いナトリウム塩化物泉。近年は「サウナ大国JZK(定山渓)」としても人気を呼ぶ。温泉街では和洋折衷の新感覚スイーツ、ジェラート、パン、かき氷などのお洒落な店が大きな話題を集め、若者を中心に列が並ぶほど。スイーツとスマホを携えた若者たちが温泉街を闊歩したり、足湯でくつろぐ風景が日常になっている。看板のQRコードを携帯端末で読み取ると周辺の立ち寄りスポットや目的別の散歩コースが紹介されるサービス「そぞろ定山渓」も観光人気に拍車をかけている。

支笏湖ブルーに出逢う道

支笏湖温泉湖畔、原生林に囲まれた神秘のブルーの湖と火山に出逢う美しい湖畔の道が「支笏湖ブルーに出逢う道」。朝靄、夕暮れが印象的で、湖に連なる山並みに春の雪形、夏の深緑、秋の紅葉、雪景色と四季を満喫するレイクサイドドライブが楽しめる。支笏湖は恵庭岳や風不死岳などの山々が湖面に向かって急角度で落ち込んでいるため、周囲をめぐれば様々なアングルからすばらしい景勝を眺めることができる。
支笏湖を離れ国道453号線の途中から道道78号線を進めば、支笏湖より324m高所に位置する神秘の湖「オコタンペ湖」の展望台に到達する。さらに国道453号線から道道恵庭岳公園線を恵庭市街方面に向かえば、「ラルマナイ川」にある恵庭渓谷。白扇、ラルマナイ、三段の滝を眺めることができる。

支笏湖温泉・丸駒温泉+αの旅提案
「支笏湖ブルー」をカヌーやフィッシングで実感

透明度は環境省調べで17・5m。青く透き通った「支笏湖ブルー」を実感するフライングカヌーは、湖上で宙に浮いているような不思議な感覚だ。1年を通じて満喫できる。カヌーによるネイチャークルージングもおすすめ。北海道随一といわれるほど森林動物に恵まれているため、特に葉が落ち視界が開けた冬季はヒグマやエゾリス、エゾシカ、エゾモモンガなどの生き物の気配を感じることができる。道内でも屈指のルアー&フライフィッシングの名所で、一生を湖で過ごす湖沼残留型のベニザケ「支笏湖チップ(ヒメマス)」をはじめ、ニジマス、アメマス、ブラウントラウトを狙うフィッシング体験も思いのまま。

画像:支笏湖SUP 支笏湖SUP

支笏湖アイスウォーク

完全には凍結しない支笏湖だが、1~3月の結氷した日には「支笏湖アイスウォーク」が楽しめる。氷を割って湖に飛び込んだり、漂流する氷に乗ったり、湖に浮かんで漂ったり、遊び方は自在。服の上から濡れないウエットスーツを着るため、寒さもほとんど感じない。気温の下がった朝は、高波でうねる湖面から飛び散った水しぶきが凍りつき「しぶき氷」となる。自然による芸術だ。

画像:しぶき氷

しぶき氷

支笏湖温泉・丸駒温泉

約4万年前の火山活動で生まれた支笏湖は最大水深363mの「日本最北の不凍湖」。周囲約42kmのひょうたん型をしたカルデラ湖で、環境省調べで透明度は17・5m。遊覧船からは水面下の柱状節理や水草の森をのぞき見ることができる。温泉は恵庭岳の麓の丸駒温泉と伊藤温泉。温泉は無色透明の美肌の湯で、泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素塩・硫酸塩化物泉。支笏湖温泉へは札幌市から南へ、千歳市街から西へ、洞爺湖方面から東への3ルートあり、周遊観光が楽しみになる。冬季には氷の祭典「千歳・支笏湖氷濤まつり」も楽しみ。支笏湖の湖水をスプリンクラーで骨組みに吹きかけて造る大小さまざまな氷像群が夜はライトアップされ幻想の世界を創り出している。

画像:支笏湖氷瀑祭

支笏湖氷瀑祭

美しく変化する羊蹄山の稜線に寄り添う道

羊蹄山の東、喜茂別町から羊蹄山に向かって一直線にのびる道路(国道276号線)は、まるで映画のワンシーンのよう。そのまま北上すれば、名水「羊蹄山吹き出し湧き水」のある京極町。羊蹄山麓周辺は世界屈指の湧水の宝庫。17ヵ所の湧水地から1日30万リットル以上の名水が噴出している。だからこの地域は美味しい水を使ったグルメなエリアとして人気を呼ぶ。

画像:羊蹄山

ニセコ温泉郷

大自然に抱かれたリゾート地。古くからの温泉郷で様々な温泉が点在している。泉質はナトリウム-炭酸水素塩・硫酸塩泉やナトリウム-塩化物・炭酸水素塩・硫酸塩泉、含硫黄-マグネシウム・ナトリウム-硫酸塩・塩化物泉など。約20年前から「ニセコの雪質は桁違い」とパウダリーな雪質が国内外のスキーヤーやスノーボーダーから人気を呼び、シーズンによって外国人観光客数が9割を占める。海外富裕層向けの高価格帯サービスはよく知られるところだ。

平磯温泉

「北の迎賓館」とも呼ばれた明治6年築造の鰊御殿を移築して開業した一軒宿「銀鱗荘」がある。外観や調度品類などに小樽の栄華を偲ぶ歴史的建造物だ。昭和61年にボーリングに成功して地下1300mから湧出した温泉は塩化物泉で、オリエント風円形大浴場や客室で楽しめる。高台にある裏庭には雅趣豊かな露天岩風呂があり、小樽市街や海を見ながらの温泉浴が楽しめる(豪雪のため1月5日~3月31日はクローズ)。料理湯宿としても名高く、贅を尽くした和食とフランス料理を堪能できる。

画像:料亭湯宿「銀鱗荘」

料亭湯宿「銀鱗荘」

洞爺湖の美しさ、火山の迫力を感じる道

洞爺湖温泉街と「道の駅とうや湖展望台」をつなぐのが秀逸な道「洞爺湖の美しさ、火山の迫力を感じる道」。約11万年前の巨大噴火によるカルデラ形成でできた洞爺湖と、約2万年前の噴火から火山活動を繰り返す有珠山や昭和新山など洞爺湖有珠山ジオパークの変化に富んだ地形を満喫できる道だ。
道の駅とうや湖展望台からは洞爺湖や中島、有珠山、昭和新山、駒ヶ岳など心震えるような美しい景色が楽しめる。

画像:昭和新山 昭和新山

洞爺湖温泉

明治43年の有珠山噴火で洞爺湖南岸に湧出し、大正6年に湖岸で43度の源泉が発見されたのが温泉地の始まり。平成12年の有珠山噴火は一瞬にして温泉街を灰の街へと変えたが、噴火後に湧出量が飛躍的に増え、湯質も茶色帯びた湯に変わった。泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物泉など。洞爺湖は約11万年前の巨大噴火によって形成された約70㎞㎡のカルデラ湖で、道内でも温暖な気候のため不凍湖の北限にある。温泉地周辺には有珠山、昭和新山、昭和新山熊牧場など見どころも多い。毎年4月末から10月末にかけて行われる「ロングラン花火大会」では毎晩400発もの花火が打ち上げられる。

画像:洞爺湖

洞爺湖

特等席!洞爺ロングラン花火鑑賞船

遊覧船でめぐる洞爺湖。中心に浮かぶ「中島」は、大島・弁天島・観音島・饅頭島という4つの島の総称。夏にはこの中の大島に下船できるクルーズが楽しめ、島内の「中島・湖の森博物館」や湖と森のカフェなどの施設が楽しめる。冬季は真っ白な雪に覆われた山々と透明度の高い湖のコントラストに魅せられる。例年4月から10月末まで毎日開催される洞爺湖ロングラン花火大会時には「洞爺ロングラン花火鑑賞船」として打ち上げポイントに沿って約2kmをクルージング。湖面から間近に眺める花火は大迫力だ。

「ウポポイ」で、アイヌの生活体験

登別からJR室蘭本線で約30分。令和2年7月に白老町に誕生したウポポイ(民族共生象徴空間)は、アイヌ文化復興・発展のための拠点。先住民族アイヌの多彩な文化に触れながら子どもから大人まで楽しめる国立施設だ。
中心施設は国立民族共生公園で、チセ(家屋)群が再現された「伝統的コタン」やアイヌ料理の調理や試食による味覚体験と伝統楽器演奏体験ができる「体験学習館」、「アイヌ古式舞踊」やムックリ(口琴)の楽器演奏など、アイヌの伝統芸能を上演する「体験交流ホール」などアイヌの世界観や自然観を学べる魅力的な空間になっている。

湯の川温泉

北海道最古の温泉地で、登別、定山渓とともに北海道三大温泉郷のひとつ。JR函館駅から路面電車の函館市電で約30分。「日本一空港に近い温泉街」ともいわれ、五稜郭などの戊辰戦争にまつわる歴史、函館山からの100万ドルの夜景、金森赤レンガ倉庫など明治・大正ロマン漂うノスタルジックな港町の雰囲気、朝市や大門横丁の新鮮な海の幸など、観光地としてあまりあるほどの魅力にあふれている。目の前には津軽海峡、イカ漁の季節は漁り火も眺めることができる。温泉は1日約7千トン以上の湯量を誇り、泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物泉。

画像:函館路面電車

函館路面電車

登別温泉

登別駅の北、標高約200mの原生林に囲まれた温泉。後に湯治の祖と呼ばれる滝本金蔵が温泉宿を建て、自ら新しい道路を整備したことで発展した。第一の見どころは地獄谷。直径450mにわたる一帯は、赤茶けた地肌をむき出しにして熱湯や噴煙を吹き上げている。泉質は日本の10泉質の9泉質が湧き上がっており、湧出量は1日約1万トン、泉温は約230度。このエネルギーを1年間集めると大型の火山爆発に相当するといわれる。様々な地獄を眺める自然探勝路もめぐれる。温泉街の入り口から地獄谷にかけて旅館、土産物店、飲食店が建ち並ぶ。周囲には大湯沼、四方嶺、倶多楽湖など探勝地も多い。

画像:登別地獄谷

登別地獄谷

画像:登別クマ牧場

登別クマ牧場

樹海に佇む天空の道

画像:松見大橋

松見大橋

十勝川温泉のある音更町から国道271号線(足寄街道)を北上し、上士幌町から国道273号線をひた走ると音更川水源のダム湖「糠平湖」。ぜひ立ち寄りたいのが士幌線「タウシュベツ川橋梁跡」。ダムの水が少ない1月頃から凍結した湖面に姿を現し、水位が上昇する6月頃から沈み始め、8~10月頃には湖底に沈んでしまう不思議な橋だ。
国道273号線をさらに北上すると、やがて道内最高地点の三国峠展望台まで続く「樹海に佇む天空の道」に到達する。大雪山系の山々と原生林に囲まれた天空の道「松見大橋」は長さ330m。ダイナミックで感動的な風景に思わず息を呑む。

十勝川温泉

画像:日高山脈と十勝川温泉

日高山脈と十勝川温泉

とかち帯広空港から車で約30分。帯広市の郊外、十勝川河畔にある温泉街。農場が広がる牧歌的な十勝平野の中に近代的な宿泊施設が点在している。アイヌの人々に「薬の沼」として親しまれてきた温泉は、世界でも希少なモール温泉。太古の昔の葦などの植物が堆積した地層を通じて湧き出している温泉で、植物性の有機物を多く含むのが特徴だ。泉質はナトリウム-塩化物・炭酸水素塩温泉。複数の足湯が整備され、立ち寄りでもモール温泉を楽しめる。北に大雪山系、西に日高山脈、南は太平洋に囲まれた十勝平野ほぼ中央に位置することから、多様な北海道グルメを満喫できるのも魅力だ。ちょっと足を伸ばせば豊頃町。世界でここだけのジュエリーアイスに出会える。

画像:十勝川・音更町樹氷並木

十勝川・音更町樹氷並木

画像:石狩川カムイコタン

石狩川カムイコタン

層雲峡温泉

北海道の屋根と呼ばれる大雪連峰の東麓、黒岳の渓谷に湧出する層雲峡温泉。60以上もの源泉が湧いており、泉質は単純泉と単純硫黄泉。開湯は幕末時代の安政年間だが、近代的な温泉地としての利用は1950年代から。上川町にホテルや旅館、足湯、層雲峡博物館、層雲峡ビジターセンターなどが整備されて観光の拠点となっている。雄大な山岳景観を望む黒岳へのロープウェイ駅があり、また大雪山系への登山口としても人気を呼ぶ。

画像:上川町銀河の滝 上川町銀河の滝

大雪山に源を発する石狩川は長さ全国第3位、流域面積全国第2位で、北海道全体の6分の1の面積に相当する大河。断崖を流れる層雲峡に代表される見事な山間渓谷美を造りだしている。恒例の層雲峡氷瀑祭は毎年2月開催。新たなグルメが地元の料理人たちの情熱と努力が生み出した十割蕎麦「上川そば」。そばの名産地ならではの美味しさだ。

画像:大雪山 初冬 大雪山 初冬

一面の流氷が織りなすグレートネイチャーを体感する道

斜里市街から深く青いオホーツク海沿岸を走る国道334号線は、手つかずの自然で魅了する世界自然遺産知床へのウエルカムロード。流氷や夕陽などオホーツク海の多様な表情や滝や野生動物など野性味あふれる自然を体感できる。

画像:エゾリス

エゾリス

画像:コエゾツガザクラ

コエゾツガザクラ

知床・ウトロ温泉

知床半島の西側に位置し、羅臼岳を真東に望む海岸沿いの知床温泉と知床横断道路のオホーツク海側に湧出するウトロ温泉がある。温泉の泉質はナトリウム・カルシウム-塩化物・炭酸水素塩泉。昭和46年にボーリングで掘り当てた最初の源泉は海を見おろす高台にあり、それ以降の源泉は海岸沿いにある。2005年に世界自然遺産に選ばれた3つの理由が「流氷が育む海と山の生態系があること」「希少な動植物が生きる、生物の多様性」、そして「保護管理体制の素晴らしさ」。知床の貴重な環境は自然任せではなく、人々の手によって守られている。

画像:イワギキョウ

イワギキョウ

画像:シャチ

シャチ

見るなら、いま!
地球温暖化のために25年後には失われるかもしれないと危惧される知床の大自然。
知床五湖

年間約50万人が訪れる人気観光スポット。知床五湖パークセンターでは自然環境や動植物について学べる展示が充実。レストランなども用意されている。

画像:知床五湖

オシンコシンの滝

滝の中ほどまで階段で登り、幅約30m、落差約80mの滝を間近で見ることができる。展望台は流氷の絶景ポイント。

画像:オシンコシンの滝

オロンコ岩

ウトロ港近くの高さ約60mの巨岩。200段もの急な石段を登るとオホーツク海やウトロの町並み、知床連山が眼前に広がる。

画像:オロンコ岩

プユニ展望台

雄大なオホーツク海や幻想的な夕日を眺める絶景スポット。流氷の最初の接岸地として知られ、流氷が埋めつくす海原を間近で観賞できる

画像:プユニ展望台

カムイワッカの滝

知床硫黄山から湧き出る温泉が流れ込み、滝全体が天然の温泉になっている。見学期間は7月1日から10月1日まで。

画像:カムイワッカの滝

知床観光船「おーろら」乗船場

200mもの断崖や奇妙な形の海食洞、清々しい滝の数々など人を寄せ付けない原始境を眺めることができる。

画像:知床観光船「おーろら」乗船場

写真提供:公益社団法人 北海道観光振興機構、一般財団法人 自然公園財団知床支部、知床斜里町観光協会

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