特集
INDEX
特別急行観光列車「四国まんなか千年ものがたり」で、こんぴらへ、祖谷へ
連泊して、こんぴらさんと秘境を満喫するのもおすすめ
地図を見るとこの2つの人気温泉地はJR土讃線で繋がっている。ぜひ乗車したいのが「四国まんなか千年ものがたり」と名付けられた特別急行観光列車だ。連泊すればこんぴらと祖谷を満喫できる。列車のコンセプトは「おとなの遊山」。徳島には子どもたちが桃の節句などに弁当を持って野山に行く「遊山」と呼ばれる風習があり、その遊山を気軽に楽しめる列車旅として現代風にアレンジしたのが「四国まんなか千年ものがたり」で、車内は「日本のたたずまい」をコンセプトとした和のインテリアとなっており、香川・徳島の地元素材を使用した食事サービス、アテンダントによる観光案内やおもてなし、車窓からは沿線沿いの景勝が満喫できる。
【香川県 こんぴら温泉郷】
785段を登り、金刀比羅宮「御本宮」参拝へ
瀬戸内海を航行する人々の目印だった象頭山。金刀比羅宮(ことひらぐう)は海の守護神として愛されてきた。ご祭神は大物主神と崇徳天皇で、海の神のほか農業、殖産、医薬などの神としても親しまれている。そのお膝元、こんぴら温泉郷に憩うならこんぴら詣りをぜひ。御本宮まで続く785段の石段を上りきるのは大変だが、ゴールにたどり着いたときの達成感と展望台からの眺めは格別だ。杖のレンタルも用意されている。
こんぴら温泉郷+αの旅提案
四国といえばお遍路。詣りたくてもできそうもないという方におすすめなのが、七カ所詣り。弘法大師空海ゆかりの八十八箇所霊場のうち、香川県にある第71番札所弥谷寺から第77番道隆寺までの7寺院を一日でお詣りすると、四国八十八箇所霊場詣りと同じだけの功徳があるというもの。寛政12年(1800年)の『四国八十八番寺社名勝』に「足よはき人は此印七り七ヶ所めぐれば四国巡拝にじゅんずといふ」と記されている。寺院のほとんどは隣駅「善通寺」かいわい。各札所には「七福神のなで仏」が祀られており、「お大師様」である空海の存在を心に感じつつ巡礼することで七つの福運を授かるとされる。朱印帳も各札所で販売されている。
第71番札所
弥谷寺(いやだにじ)/大黒天
寺名は仏の谷の意。空海が修行に励んだ場
↓ 徒歩で約60分 もしくは 車で10分
第72番札所
曼荼羅寺(まんだらじ)/福禄寿
寺名は空海が曼荼羅を
安置供養したことに由来
↓ 徒歩で約7分 もしくは 車で2分
第73番札所
出釋迦寺(しゅっしゃかじ)/恵比寿
空海が師(釈迦)の姿を
拝んだ地
↓ 徒歩で約45分 もしくは 車で10分
第74番札所
甲山寺(こうやまじ)/毘沙門天
山号「医王山」は病を癒す薬師如来に由来
↓ 徒歩で約20分 もしくは 車で5分
第75番札所
善通寺(ぜんつうじ)/布袋尊
弘法大師空海ご誕生の地。
三大霊跡の一つ
↓ 徒歩で約70分 もしくは 車で10分
第76番札所
金倉寺(こんぞうじ)/弁財天
訶利帝母尊が
日本で最初に出現したと伝わる寺
↓ 徒歩で約70分 もしくは 車で10分
第77番札所
道隆寺(どうりゅうじ)/寿老人
一時は四国随一の大伽藍で
三大師を輩出
【徳島県 祖谷温泉・新祖谷温泉】
「千年のかくれんぼ」とも称される秘境へ
険しい山々と深い峡谷に遮られた陸の孤島、祖谷は想像とはまったくの別世界。未知の自然環境と出合える場所だ。見渡す限りの幻想的な大地から湧き上がる霧、深い渓谷に沿って密集するジャングルのような木や苔、川などがもたらす風景は祖谷特有のもの。本当に美しく心が揺さぶられる。世界でも類を見ない神秘の地なのだ。山あいに広がる世界は桃源郷さながら、悠久の時を閉じ込めたかのようにひっそりと人々が暮らすこの地は「千年のかくれんぼ」とも称されている。
祖谷温泉・新祖谷温泉+αの旅提案
祖谷は一般的な日本の風景と大きく異なり、山の傾斜地に住居が建つ全国でもほとんど例がない場所。茅葺きの家が点々と建ち、畑の斜面に沿って広がり、眼下はるかに川を眺められるという別世界はここにしかない農村景観になっている。祖谷に多く残る古民家をみると天井がなく、梁や茅葺きの屋根が剥き出しになっている。対外的収入を得るため、たばこを梁から吊して囲炉裏の煙で乾燥させることが理由だったという。そんな閉ざされた自然環境から生まれた暮らしの知恵を今、その目で! 祖谷在住のドライバー、ガイド付きの古民家めぐりが用意されている。平家伝説を有するかずら橋などの観光名所を訪れるほかに、この地に残る古民家や集落を散策したり、山歩きなども楽しめる。訪れただけでは知ることのできない祖谷の伝説から、現在の暮らしの様子まで住民の目線でガイドしてくれる。