金刀比羅宮の門前町で楽しみ尽きない滞在を約束する紅梅亭。　心躍る夕食は粋でモダンなオーベルジュ『割烹ダイニング丸忠』やオープンキッチン付『ご馳走茶寮 餐火讃花』の個室で堪能する。
　瀬戸内の食材を吟味し、一から丁寧に仕込んだ料理で人気を博したのが宿の前身、割烹丸忠。そのＤＮＡを受け継ぐ調理法も独特だ。調理長の「武田利史」は第26回全国技能グランプリ「日本料理職種」優勝者であり「現代の名工」の一人。２０２１年には「黄綬褒章」も受章している。その卓越な技で創作されるのは、基本を守りつつ昔ながらの手法も取り入れた粋な料理の数々。名物の山海宝楽焼きはここでしか味わえない逸品だ。
　客室は２０２４年に改装したコーナースイートや万葉集に因む設えの温泉露天風呂付客室、和ベッド和洋室、貴賓室など宿泊者専用ラウンジ付部屋に加えて、和モダンの最新空間、温泉露天風呂付和洋室「リビングスイート君子香」が話題を呼ぶ。４台のシモンズ社製ベッド付で、気ままに源泉を楽しんだり、テラスから讃岐富士や琴電を眺めたり贅沢に過ごせる。「君子香ユニバーサルルーム」１室も新たにオープンしている。

　琴平有数の湯殿の充実度が自慢の宿。館内には男女それぞれ４つの湯船を備えた『花すみか』と、貸切露天２室を備えたリラックスフロア『花くらぶ』、外湯感覚の『紅梅亭ガーデン 花てらす』に多彩な浴槽を備えた「うきぐも・そよかぜ」があり、入替制で自在に楽しめる。

　２０２４年には、琴平初の愛犬と一緒に泊まれる「とら梅」４室がグランドオープン。全室に専用のドッグランや愛犬と食事ができるインルームダイニング、ワンちゃん用温泉露天風呂を完備。２階には共有スペースとしてドッグランとフリードリンクコーナーも用意されている。
　江戸時代後期、「お伊勢参り」や「讃岐の金毘羅参り」は長旅は大変だったため、人だけでなく犬が「代参」することもあった。琴平では「こんぴら狗」と呼ばれる犬が、主人に代わり「金刀比羅宮」に向かった。旅人や宿場の人々の助けを得て無事に目的地に辿り着き、その姿は掛け軸にも描かれ今も語り継がれている。依頼する「代参」も広く行われていた。
　そんな犬と人との深い絆や歴史を感じながら、ワンちゃんと一緒に旅を満喫できる「とら梅」にぜひ注目したい。