特集
山陰本線観光列車「あめつち」の旅
皆生温泉、玉造温泉、出雲をめぐるのに最適な観光列車「あめつち」の旅はいかがだろう。
自然や神話を題材にしたデザインの紺碧のメタリックな車体に山陰の素材を活かした内装の車両にも心が躍る。
※運転日は週末を中心に1日1往復。全席指定で乗車券と指定席グリーン券が要。
三徳山信仰とラドン泉
三徳山には三沸寺を中心に皆成院、正善院、輪光院という香りのもてなしで知られる3つの末寺がある。皆成院は薬師如来と観音菩薩、文殊菩薩を祀る寺。毎月8日には末広がりに幸せを運ぶという黄色い財守りを授けてくれる(限定30体)。また、隣接する宝物殿には国宝「投入堂」の修理古材が展示されているため、投入堂に行かなくても国宝に素手で触れることができると人気を呼んでいる。
三朝温泉
春から夏にカジカガエルが鳴く三徳川。その両岸に位置する三朝温泉は日本最大のラドン温泉地域。泉温34度以上のラドン泉は世界にも稀で、吸う、浸かる、飲む、いずれも効果を発揮するため療養目的で訪れる人も多い。三朝温泉は三徳山信仰と深く結びついていて、入山する前に温泉に浸かって身を清め、断崖絶壁の「三佛寺 国宝投入堂」に行って眼・耳・鼻・舌・身・意の「六根」を清め、下山して再び温泉に浸かり、「観、聴、香、味、触、心の「六感」を癒すとされてきた。日本遺産のストーリー「六根清浄と六感治癒の地~日本一危ない国宝鑑賞と世界屈指のラドン泉」にも紹介されている。多くの治癒伝説が息づく地。かつての修験道の行者たちは三朝温泉が医学的にも効能が認められた温泉だとは夢にも思わなかったことだろう。
タクシーで「大山寺」参詣
皆生温泉から仰ぎ見る伯耆富士「大山」。日本遺産には、平安時代以降の地蔵菩薩への信仰や江戸時代の牛馬信仰、明治時代の日本最大の牛馬市など大山をめぐるストーリーが紹介されている。大山寺の石畳道や街並みには時代ごとの歴史が今も脈々と息づき賑わいを見せている。米子駅発着で大山寺を訪ねるタクシープランでめぐってみてはいかがだろう。
皆生温泉
白砂青松の美しい風景が続く弓ヶ浜は環境省「日本の海水浴場88選」に選定された水質良好なビーチで、海辺に湧き出す湯量豊富な塩化物泉とともに名高い。皆生温泉開発100周年を期して皆生海岸は「皆生温泉海遊ビーチ」へと名称が変更され、夏には多彩なマリンアクティビティや料理が楽しめる新スタイルのマリンリゾートとして活気づく。また、本場アメリカのガスグリルを用いたBBQや、地図とGPSを活用して皆生温泉街を謎解きしながら歩くイベント「皆生クエスト」など魅力あるイベントも多くの観光客を集めている。
COLUMN
宍道湖七珍
淡水と海水が混ざりあう汽水湖で知られる宍道湖は水域によって季節ごとに海水の混じり方が異なり、獲れる魚介類も多彩。その代表的なものを選んだのが「宍道湖七珍」。スズキ、シラウオ、コイ、ウナギ、モロゲエビ、アマサギ、シジミの7種だ。新鮮で味わいの良い魚介類に恵まれた松江の風土ならではの料理。ぜひ堪能したい。
日が沈む聖地、出雲めぐり
中海と宍道湖、日本海の水辺の自然景観や大山、島根半島など、島根と鳥取にまたがるエリアは出雲風土記の冒頭を飾る「国生神話」の舞台。日本風景街道に「人間文化の原風景~ご縁をつなぐ神仏の通い路」と指定されているとともに、出雲大社が位置する島根半島西端の海岸線は、日本遺産に「日が沈む聖地出雲~神が創り出した地の夕日を巡る」というストーリーで紹介されている。出雲大社へは玉造温泉から車で約1時間。参詣はもちろん、出雲神話の舞台となった「稲佐の浜」などを訪ねてみてはいかがだろう。絶景の夕日に会えたら吉兆だ。
玉造温泉
「美肌県しまね」を代表する玉造温泉は奈良時代開湯の古湯。出雲国風土記に「一度入ると美しくなり、再び入ると万病が治る」「神の湯」との記述も残る。泉質は硫酸塩泉と塩化物泉で高級化粧水レベルとの評価を得ている。松江城エリアから車で10数分、玉湯川沿いに位置する温泉街は桜祭りや夏祭り、竹灯籠秋祭りなどの催事、伝統芸能「石見神楽」などで年間を通じて賑わう。出雲地方は勾玉の生産が盛んな地域で、勾玉は幸福を呼ぶパワーストーンとして人気を呼ぶ。また、江戸時代には松江藩主松平不昧公が確立した「不昧流」という茶の文化が残る土地柄。抹茶や和菓子などが深く息づく暮らしぶりにも随所で出会える。