約1500坪の木造建築物のほとんどが「文化庁登録有形文化財」。
宮大工の繊細な技巧を垣間見つつ、大正ノスタルジーを満喫。
大正6年(1917年)創業の老舗、旅館花屋。
四季折々の情感が宿る約6500坪の敷地に点在する木造建築物の約8割が「文化庁登録有形文化財」である。創業当時の趣を大切にしながら慎重に修繕や増築を重ね、大切に守られてきた価値ある建物だ。
館内をめぐれば花屋の時を刻んだ置時計やレトロな趣のランプ、シャンデリア、黒電話、琥珀色に灯る白熱灯など、古くから使われてきた備品・装飾品が清潔を保ちながら今も大切に使用されている。
客室により造りが異なり、遊郭から移築された天井絵や一刀彫りの化粧柱、精緻な細工の欄間など、宮大工たちの繊細な技や遊び心も垣間見ることができる。
いくつもの棟を繋ぐ渡り廊下は鉤型に折れてはまた延び、さながら風趣の回廊。そぞろ歩けば自然が描き出す四季折々の優しい情景にふと足が止まる。雪見の頃には降る雪の音までも聞こえてくるような静寂さにも魅せられる。
源泉掛け流し100%の
天然温泉を趣向豊かに楽しむ湯殿
男女交代制で楽しめる湯殿は高く優雅なドーム型天井とステンドグラスが美しい大理石風呂と、伊豆若草石が特徴で柔らかな朝陽がそそぐ若草風呂。緑の木々に囲まれた露天風呂は男女それぞれに用意されている。湯船を満たすのは硫黄の香がほんのりと漂う源泉掛け流し100%の天然温泉。肌ざわりがやわらかく身体の芯から温まる。
食事はクラシカルな食事会場や個室食事処、客室で。四季の中にも、待ちきれない季節を先取りする「走り」と、今一番美味しい「旬」、過ぎ行く季節を惜しむ「名残」があるのが日本の食材。夕食ではその四季の移り変わりを基本に、手間暇を惜しまず真心込めて創作した会席料理を堪能する。
また、温泉露天風呂付特別室4室宿泊者に用意されているのが料理長渾身の極上の会席料理。旬の食材の良さを生かしながら、日本料理の奥深さまでも感じる美食の数々。出汁の美味しさは格別。先付けから水菓子まで決して飽きさせない。
魅力はお部屋
武家屋敷への宿泊体験もぜひ
数多くの客室の中で特筆したいのが温泉露天風呂付の特別室4室だ。信州最古の別所温泉を源泉掛け流しで満喫できる。
人気は令和2年改装の『23番』。千曲川の投網風景から着想を得て彩られた組子細工や化粧柱など、宮大工の意匠そのままに大切に改修した約132㎡のゆったりとした和洋室で、モザイクタイルの露天風呂やステンドグラスがお洒落な食事室などとともにノスタルジックな滞在を叶えている。
また、大正浪漫の雰囲気を百年後へと継承するために、古き良き面影を残しつつ改修されたのが『72番』と『73番』。玄関や主室、食事室、露天風呂の随所に感じるのは大正ノスタルジーだ。『73番』は樹齢300年以上のけやきの一枚板を利用するなどこだわりの造りとなっている。
そして全国でも稀少な武家屋敷への宿泊体験ができるのが貴賓室『桜御殿』だ。
平成28年に解体された上田藩武家屋敷の建材や建具を移築・改装し、書院造、欄間、猿頬天井など往時の様式を忠実に踏襲して再現している。渡り廊下を進むと見えてくるのは武家屋敷では有事の備えだった土壁。家老などの上級武士や高貴な方が来訪された時だけ特別に使われた式台玄関、二つの書院を持つめずらしい座敷や平安時代の寝殿造から発展した板戸の一種、舞良戸など武家屋敷特有の造作の数々に知的好奇心が刺激される。歴史に思いを馳せ、日本の文化を感じながら源泉掛け流し100%の檜露天風呂を楽しむ時間が愛おしい。
令和5年には宿で初めての洋室スイートルーム「本館THE MAIN」3室が誕生。花屋の伝統を感じ、大人の別邸を彷彿とさせる特別な空間となっている。
詳細情報
| 建物 | 木造2階建 |
|---|---|
| 客室 | (全32室)/和室28・洋室3・和洋室1(内、露天風呂付4) |
| 館内施設 | 浴場:大理石風呂・若草風呂・露天風呂(いずれも源泉掛け流し) |
| 料金 | 20,900円~73,700円(税込、入湯税別、宿泊税別) |
| チェックイン・チェックアウト | チェックイン15:00・チェックアウト11:00 |
| 温泉泉質 | 単純硫黄泉(pH9.8) |
施設情報 / 交通アクセス
| 所在地 | 〒386-1431 長野県上田市別所温泉169 |
|---|---|
| TEL | 0268-38-3131 |
| URL | https://www.hanaya.ne.jp |
