1690年（元禄3年）創業。大分と熊本のふたつの県をひとつに結ぶ、めずらしい宿ひぜんや。杖立川のせせらぎや対岸の原生林に移ろう季節の彩りを間近に深い癒しのひとときを演出している。2024年6月には正面玄関やロビーまわりのリフレッシュ工事が終了し、格段と和の宿の印象を深めている。
一度の宿泊で多彩な温泉が楽しめる。敷地内には11本もの豊富な源泉があり、館内外の4つの温泉施設に男女計41もの浴槽が用意されている。しかも泉質はｐＨ8.5以上のアルカリ性で肌によくなじみ、天然の保湿成分といわれるメタケイ酸を138㎎も含む美人の湯・疲労回復の湯として喜ばれている。館内の温泉施設は、ステンドグラスがあしらわれた大浴場と杖立川のやすらぎと融けあう露天風呂を備えた熊本館『肥後の湯』、大分館側に世界初のアンチエイジングサウナを導入した「フォレストテラス」を併設した『豊後の湯』。アンチエイジングサウナとは空間内に遠赤外線を飛ばし、肌を活性化するとともに身体を芯から温める低温サウナ。豊後の湯の天然温泉とともに楽しめば美容効果もてきめんだ。フォレストテラスにはボウリング場や卓球台、プールなどのアミューズメント施設も備え、温泉プラスアルファの楽しみを提案している。

楽しみは別館温泉館にも及ぶ。『吉祥の湯』と渓流沿いの宿『大自然』。宿自慢の『吉祥の湯』には男女それぞれに大小の岩風呂、木風呂、桶風呂、溶岩風呂が用意され、温度の異なる3つの源泉で温度調整をするため、常に源泉掛け流し100％の天然温泉を満喫できる。『大自然』にはそれぞれ露天風呂を備えた和風大浴場と洋風大浴場。広々湯船でのんびりできる。24時間利用できるから遅めのチェックインでも安心だ。

4つの湯めぐりに癒された後は快適さひときわの客室でご休息を。一般客室でも10～28畳とタイプも幅広く、シモンズ社製セミダブルベッドを設置した和風ツインやメゾネットルーム、モダンな客室など、近年のリニューアルで快適さをグレードアップした客室が用意されている。最上階には貴賓室をリニューアルした「温泉露天風呂付プレミアムルーム」2室も誕生している。リビングスペースもあり、贅沢な空間と絵画のような渓谷の景観にも癒されることだろう。

食の醍醐味を演出するのが熊本と大分、両県の伝統工芸でもてなす和モダンの『八百万ダイニング』だ。迎えてくれるのは幻想的にゆれる「合わせ鏡の竹あかり」。SNSにアップしたくなるような工芸品で演出された空間には鉄板焼＆グリル、天ぷら＆蒸し場などが並び、恵み豊かな九州のこだわり食材を用いた出来たて料理をビュッフェ形式で満喫できる。ゆっくりと会席料理を楽しむなら料理茶屋「萬龜樓」へ。名物会席は「肥後と豊後の味比べ和牛鉄板焼きプラン」。ひぜんやでしかできない美食体験だ。