稀有な「源泉掛け流し酸性泉」で人気のあづま館。安達太良山火口近くの泉源から９５０ｍの落差と８㎞の距離を１本の管で引かれ揉まれた源泉は、ｐＨ２・48、メタケイ酸を１５３・５㎎含む美人の湯。シルクのような柔らかな湯ざわりが特徴で、入浴後のさらりとした爽快感はなかなか経験できない。そのすばらしい湯心地を森林浴感覚の岩露天や檜露天、広々とした大浴場で堪能するひとときは何とも贅沢なものだ。
　食事は自然派ビュッフェレストラン『食菜彩 ゆいの一楽』で。夕食はライブキッチンの出来たてアツアツの料理や創作料理、郷土の味覚など50種以上のメニュー。朝食では大玉村産コシヒカリや名物イカニンジン、新たに誕生した館内ベーカリーの焼きたてクロワッサンなどが味わえる。
　２０２４年には複合施設『Ｄａｋｅ Ｐｅａｋ』がオープン。サウナグッズ専門店や福島の発酵食品などを揃えたギフトショップ＆カフェ、オープン工房で焼きたてパンを提供するベーカリー、大通り沿いの「足湯暖炉」を備えている。
　また、年間を通じて多くの行楽客に愛される岳温泉。宿泊プランの充実ぶりも見逃せない。

　２０２３年に東扇最上階７階フロアをまるごとリニューアルして誕生したのが、特徴ある『岳のサウナ』だ。
　ひとつが安達太良の「ほんとうの空」を見渡す絶景極上の『空サウナ』。曲線美と木の香りあふれる空間で、ヒーターは熱を３６０度放射する「ｉｋｉ」を採用。大量のサウナストーンによる大迫力のセルフロウリュサウナが満喫できる。もうひとつが森眺めのバレルサウナと瞑想のバレルサウナを完備した「山サウナ」だ。
　しかも水風呂は大空とひとつに融けあうインフィニティ水風呂になっていて、外気浴用の絶景ととのいチェアにくつろぎながらリフレッシュできる。さらにサウナラウンジでは生ビールやサワー専用サーバーが利用できる。
　フロアはソファベッド付洋室ツインと洋室ダブルの計４室からなるサウナクラブフロアになっており、宿泊でも日帰りでも貸切でも利用可能だ。
　また、メトスのテントサウナ「イコヤ」を導入したテントサウナの熱源は薪ストーブで、ゆらめく炎を眺めながらフィンランドサウナさながらの心地良いセルフロウリュが楽しめる。
　旅館でこれほど本格仕様のサウナは類例がなく、訪れた熱狂的サウナーも驚くほどの充実ぶり。岳のサウナをめざす人がますます増えることだろう。