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道後温泉本館 2024年7月11日に全館営業再開!
道後温泉本館は約3000年の歴史を誇り日本最古といわれる道後温泉のシンボルです。1894年(明治27年)に誕生した公衆浴場であり、城大工・坂本又八郎が手掛けた建物は当時でも珍しいとされる木造三層楼、塔屋を設けた重厚感のある佇まいとなっています。
1994年12月にその建築的価値が認められ、現役の公衆浴場として全国で初めて重要文化財に指定されました。2009年には経済産業省の「近代化産業遺産」に認定。同年にはミシュラン・グリーンガイド・ジャポン最高位の3つ星も獲得しています。
建物は、北に神の湯本館、東に桃山時代の破風建築様式がめずらしい又新殿(ゆうしんでん)と霊の湯棟、南に南棟、西に玄関棟が位置していますが、明治から昭和初期にかけて増築・改築を繰り返した結果、細い通路や急な階段が複雑に入り組んだ館内となり、迷宮さながらの雰囲気が随所に漂います。
「道後温泉本館」の名称で国の重要文化財に指定されているのが、神の湯本館と又神殿・霊の湯棟、振鷺閣(しんろかく)、です。
神の湯本館は1894年竣工の3階建で、1階を神の湯と脱衣場、2階を大広間、3階を休憩室とし、入母屋造りの大屋根の上に宝形造の塔屋(振鷺閣)を設けています。神の湯の二階席は開放感のある休憩室になっており、6月から9月にかけては障子を外して簾が掛けられ、さらに開放的な気分を味わうことができます。3階の北西端には1895年に松山中学に英語教師として赴任した夏目漱石が正岡子規とともに使ったと言われる「坊っちゃんの間」があります。
又神殿・霊の湯棟は1899年の竣工。日本唯一の皇室専用浴室があり、建物は銅板葺及び檜皮葺ぶきの木造3階建で、正面(東面)に御成門があります。大正時代に建てられた霊の湯棟の二階席は休憩室になっており、白鷺をモチーフにしたランプが吊り下げられ、歴史の中にモダンな雰囲気も感じることができます。
道後温泉別館 飛鳥乃湯泉(あすかのゆ)
飛鳥乃湯泉は2017年のオープン。聖徳太子の来浴や斉明天皇(さいめいてんのう)の行幸などの物語や伝説が残る日本最古の温泉にふさわしい飛鳥時代の建築様式を取り入れた湯屋で、本館と同じく加温も加水もしていない源泉かけ流しの「美人の湯」を満喫することができます。屋根の上には道後温泉のシンボルである塔屋を配置、中庭は聖徳太子が道後温泉に来浴された際に残したとされる「湯岡(ゆのおか)の碑文」にちなんだ「椿の森」で再現されています。
館内は開放的な大浴場と道後温泉本館にはない露天風呂や皇室専用浴室の又新殿を再現した特別浴室を設え、昔の浴衣「湯帳」を着ての入浴体験もできます。
椿の湯
道後温泉「椿の湯」は椿をシンボルとした「親しみの湯」。松山市民の生活には欠かすことのできない公衆浴場です。道後商店街の中央に位置する蔵屋敷風の落ち着いた雰囲気で、浴室には花崗岩が使われ、道後温泉特有の湯釜も置かれています。また、建物全体がL型で特徴的な外観が目を引きます。温泉は、道後温泉本館と同じく無加温・無加水の「源泉かけ流し」の湯です。
道後温泉 宿・観光スポットMAP
道後温泉本館を満喫する休日を、5つ星の宿がサポート。本誌には道後温泉から温泉を引いた5軒の宿がラインナップ。快適な客室、道後ならではの美食など思い出に残る旅を演出してくれます。
A | 道後舘 |
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B | ホテル椿館 |
C | 大和屋本店 |
D | 花ゆづき |
E | 道後プリンスホテル |
道後商店街は伊予鉄道の路面電車の終点「道後温泉駅」から道後温泉本館を結ぶ約250mのL字型アーケードで、両側には明治時代に改築された約60軒の商店が建ち並び明治ロマンを漂わせます。各店舗は朝9時から夜の8時まで営業をしており、浴衣姿でのそぞろに歩きに最適です。
中世伊予の豪族・河野氏の「湯築城跡」を整備した国史跡で、「日本の歴史公園100選」、「日本100名城」に選ばれています。春は桜の名所で、夏にはスイレン、秋には紅葉、冬には椿の花が咲き、鳥のさえずりを聞きながら散策できる日本の四季や自然を満喫できるスポットです。
道後温泉駅で路面列車を降りると目の前に見えます。平成6年の道後温泉本館竣工100周年を記念して作られました。定時になると明かりが灯り、太鼓の音とともにせり上がり、小説「坊っちゃん」の物語の世界を繰り広げます。文字盤からはマドンナ姿の人形が現れ、観光客を歓迎する言葉で締めくくります。