八幡屋の新たな魅力となっているのが2019年に誕生した別館『帰郷邸』だ。大空の下、自然が息づく里山のやすらぎと融けあう天望大露天風呂「稲荷山 丘の湯」と「稲荷山 谷の湯」が開放感ひときわの湯の憩いを演出している。里山の緑や野の花を眺めながら楽しむ気分は何とも晴れやかなものだ。温泉は2013年に掘削に成功した「さくら源泉」から自噴する泉温43度、無色透明のアルカリ性単純泉で、pHが9.8と高く肌がツルツルになる。”三日入って効果がある“とこの地で長く親しまれてきた本館のラドン泉とは湯ざわりが違う。

露天風呂と内湯は湯続きで、時とともに移り変わっていく稲荷山の眺めを湯面に映し出す。黄昏時や月灯りが浮かぶ夜の雰囲気にも魅せられる。築山から流れる滝を眺める4種の貸切温泉風呂も季節の風情とともにある。

夕食は山海の食材を厳選し、百余年に亘って大切に受け継がれてきた八幡屋ならではの調理技術を駆使した「旬菜会席料理」を堪能する。各種プラン・コースともに豊富なメニューが用意されている。あだたら高原の伏流水で稚魚から育てた「福うなぎ」は宿自慢の逸品だ。すっぽん鍋や和牛ステーキ、すきやき鍋、舟盛り、寿司などの「美味特選追加料理」もぜひ。帰郷邸には里山を眺めるモダンな食事処も用意されている。心休まる滞在を見守ってくれるのは創業以来変わらない「お客様第一主義」のおもてなしだ。