房総半島の城崎海岸沿いに建つ宿中屋はオーシャンビューの眺めひときわのラグジュアリーな宿。
　2024年3月に装いも新たにオープンしたのが、さらなるラグジュアリー感を演出する空間だ。
　一新された玄関を期待感とともにくぐれば杉の木がふんわりと香るロビー。お香や地元陶芸家の作品なども展示されたセレクトショップもお目見えしている。大きな窓越しに眺めるのは城崎海岸。海に癒やされる休日が幕を開ける。
　リニューアルで刷新された客室は４階「海辺の町」と５階「浪漫の歌」。宿中屋きっての人気客室だ。
　室内には宿自慢の城崎海岸へと広がる開放的な眺めにベストアングルで向かい合うように位置と高さを調整したソファ席を設置。快適なベッドにくつろぎながら二方向に海を眺めることもできる。
　窓辺には「城崎の源泉の湯」を掛け流した半露天風呂。暮れなずむ頃には、その色を変えながら水平線の彼方へと沈む夕日を眺め、早朝には朝焼けの静けさの中でさざめく波音を聞く…。オーシャンビュールームとしての印象度や居住性がさらにグレードアップ。まさに「海辺の特等席」へと生まれ変わっている。

　宿中屋が位置する天津小湊は漁師町。暖かい黒潮と冷たい親潮が流れる房総沖では昔から様々な漁が行われ、年間を通して様々な魚介が揚がる。
　グルメな宿としても定評のある宿中屋で満喫できるのが、日々揚がる南房総の新鮮な魚介を用いた「磯会席料理」。創作するのは農林水産大臣賞や調理業務功労賞などの受賞経験を持つ料理長で、その時季でしか味わえない旬の味覚を盛り込んだ絶品料理を堪能できる。
　食事処は４カ所の内、『渚』と『浜辺の物語』がリニューアル。空間は江戸紫やくちなしなど「古代色」を基調とした統一感のあるデザインにまとめられ、テーブルにはその古代色の意味を紹介するボードも設置。前菜料理には女将手書きの料理説明を添えるなどきめ細やかな気遣いを感じながら美味しさこの上ないひとときを満喫できる。
　滞在中はアルカリ成分がｐＨ8.8と高い源泉「城崎の源泉の湯」を心ゆくまで。ゆったりと手足が伸ばせる大浴場『城崎の湯』と『華海の湯』には源泉１００％で注がれている。入浴後にはアロマオイルトリートメントや、城崎海岸へのサンセット散策も思いのまま。
　夜８時からはロビーで「音楽とジャズの夕べ」も開催される（不定期）。幸せな気分でくつろげる宿である。