足を踏み入れると迫力の大空間。中央には青々とした湯を湛える大浴槽。高所の湯口からは滝のように湯がなだれ落ち、周囲には様々な浴槽を抱く東屋が並んでいる。非日常すぎるほどの演出である。
霧島ホテル自慢の硫黄谷庭園大浴場に贅沢に掛け流されているのが、泉源14本に湧き上がる1日1,400万リットルの温泉。ドラム缶にして1分間に50本分にも及ぶという。泉質は硫黄泉、明礬泉、塩類泉、鉄泉からなる「硫黄谷温泉」で、ここ霧島ホテルだけにしか引かれていない。質量ともにまさに本物の温泉の醍醐味を味わえる。
場内はフリーゾーンと男性専用、女性専用の3ゾーンに分けられている。フリーゾーンには8種の浴槽。硫黄泉は大浴槽と赤松風呂、長寿風呂･寝湯に、鉄泉は黄金風呂に、明礬泉はひのき風呂と明礬風呂にそれぞれ引かれ、効能を選んで楽しめる。打たせ湯が流れ落ちる大浴槽は奥行き25ｍ強。深さが1.4ｍあるから浮遊感とともに全身の血液循環を促進する立ち湯が楽しめる。フリーゾーンには女性専用時間も用意されている。

湯の休息を叶える客室はひときわ上質な時間を演出する高千穂館、スタンダードな東館、リーズナブルな西館に揃うが、東館の6階と7階には琉球畳の空間にツインベッドを備えた和モダンツインが誕生している。
夕食は黒豚しゃも鍋、黒毛和牛ステーキ、酒寿司など食の王国鹿児島の山海の恵み満載の郷土会席だ。地元食材を用い、薩摩に息づく伝統的調理技法で調理する味はどれもこれも納得する。さつま揚げや豚骨煮、鮑ステーキなどの別注料理も芋焼酎の絶好の肴になる。