どこまでも広がる日本海と波打ち寄せる白砂の弓ヶ浜に向かい合う天水。休日は特別仕立てだ。
温泉は姉妹館華水亭とともに独自掘削した自家源泉「宝生の泉」。皆生温泉で自家源泉を持つ宿は少ないためとても貴重な源泉である。美容と健康こそが宝という願いから名付けられたこの癒しの湯が、海に面した2階大浴場『日本海』に贅沢に注がれている。石造りの大湯船にどっぷり。名泉に浸かって日本海を見渡せば、まさに至福。大海原にも浸かっている気分だ。宿では日の入り時間も教えてくれる。露天風呂から夕陽を眺めるのはいかがだろう。

食材の宝庫、山陰の幸を味わう愉しみは海沿いのレストラン『渚亭』が叶えてくれる。「渚のおもてなし料理」は食いしん坊も絶賛。スタートは鳥取や米子の海・山・里の食材を一番美味しい料理に仕立てて旬菜箱に詰め込んだ前菜「地産旬菜盛り」。メインは大山鶏や茹で蟹などの日替わりの「まいもん料理」や屋台コーナーで和牛ステーキ、天麩羅、にぎり寿司など出来たてをそのまま堪能する「あつあつ料理」。これでもかこれでもかと15品ほどの献立が続いていく。満足感この上ない。季節やその日の仕入れによって食材が変わるからどんな料理に出会えるのかも楽しみだ。期間限定の名物「紅蟹の蟹味噌羽二重蒸し」にも出会えるかもしれない。

夕食後は水に浮かぶラウンジ『ブルーマリーン』が大人の時間を演出してくれる。水平線には漁り火も瞬く。夏にはビーチ沿いのガーデンプールが開放され、弓ヶ浜と繋がる天水。日本海を満喫するくつろぎのシーンはいったいいくつあるのだろうか。