南国情緒漂う薩摩路に和のやすらぎを添える数寄屋造りの老舗宿。60年を超える歴史に培われてきた空間は薩摩の美意識に満ちている。
　日本間に薩摩の心を感じる客室が10タイプ。空間美の極致ともいえるのが錦江湾に面した最上階５階エグゼクティブフロアで、１室限定の和洋室『島津の間』、和洋室に応接間も加えた２室限定の特別室、新たに誕生したモダンテイストな和洋室『鶴丸の間』がひときわ上質な滞在を演出している。
　『鶴丸の間』は６畳和室を含むリビングルームと、セミダブルベッドを備えた寝室がともに26㎡。時代の趨勢に応えた非日常空間だ。１階には和洋室『秀水の間』。枯山水の純和風庭園を眺める唯一の客室として人気を集めている。
　温泉は天然保湿成分の含有量が日本屈指の美肌の湯。大浴場と露天風呂で源泉掛け流しで楽しめる。貸切湯浴み処は和洋２タイプのリビング付。

　陽光と海と大地に恵まれた指宿は、豊かな海の幸、山の幸の宝庫。料理の名宿として全国に名を馳せるいぶすき秀水園の料理は、「美味・滋味・香味の園」とも称される究極のおもてなし料理だ。宿の食の系譜を継ぐ腕利き料理人が繰り出す技が冴えわたる。
　訪れる人誰もが魅了されるのが海と大地に恵まれた南九州の美味や彩り、上品な盛り付け、味の奥深さ。夕食には宿自慢の４種の会席プランが用意されている。
　薩摩の旬の食材を織り込んだ基本会席で味わえるのが「薩摩黒豚柔らか煮」や「あわび素味噌焼き（冬季は柿釜ふろふき焼き）」。宿の名物料理で、グルメならずともその絶妙の美味しさに感動する。
　季節ごとの旬を味わう四季彩会席や純粋黒豚を満喫するしゃぶしゃぶ会席はもちろん、フォアグラとフカヒレを用いた絶品の「フォアグラの玉地蒸し」などが味わえるプレミアム会席などもこの宿でしか味わえない贅沢な料理だ。
　食事場所は数寄屋造りの個室食事処『島津藩』または抗菌仕様の壁で仕切られた個室食事処『四季彩』で。大切な人と愉しむ夕餉のひとときも心に残る。
　着席の際には、昭和38年の旅館創業当時まで焼酎蔵元として製造販売していた焼酎「喜楽」もぜひご用命を。至高の料理と合わせれば口福感はなお増す。