人気温泉旅館ホテル250選に5回以上入選の宿 特集記事

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7つの秘湯をめぐる楽しみ。乳頭温泉郷
ピンチを乗り越え復活! 孫六温泉はサウナ好きも必見の秘湯スポットに

黒湯温泉 源泉沸き立つ湯治の里。温泉郷の中で最も奥にあり、江戸時代からの歴史を持つ。源泉地が宿の横にあり、沸々と温泉が噴き出す様子を見ることができる。露天風呂のほか、特に打たせ湯がいい

乳頭温泉郷(秋田県仙北市)は、十和田・八幡平国立公園の乳頭山麓に位置。ブナの森に七つの宿が点在し、それぞれ独自の源泉からさまざまな泉質の湯が湧き出ています。旅行会社のスタッフなどが投票する2024年度の「にっぽんの温泉100選」では全国19位、東北エリアで2位にランクイン。「選んだ理由別」では「雰囲気」で15位、「泉質」で14位。あこがれの秘湯として支持されています。

鶴の湯 江戸時代より続く秘湯の宿。乳頭温泉郷の中で最も古い歴史を持ち、秋田藩主の湯治場だった由緒ある温泉。今なお警護の武士が詰めた茅葺き屋根の長屋「本陣」が残っている

乳頭温泉郷の7軒は、鶴の湯、妙乃湯、黒湯温泉、蟹場温泉、孫六温泉、大釜温泉、休暇村乳頭温泉郷。「七つの宿、七つの湯」として、7軒が一体となり、長年にわたって誘客促進や地域づくり、ブランド化に取り組んでいます。

妙乃湯 渓流に佇むモダンジャパニーズ。軒先を流れる先達川の渓流が美しく、せせらぎを聞きながらの露天風呂は最高! きめこまかなサービスと雰囲気は女性に評判

危機も地域一体で乗り越えました。22年、孫六温泉が後継者の不在や人材不足のため、事業の継続を断念するという事態に直面。これに対し他の宿は、「乳頭温泉郷は七湯で一つ」「孫六温泉の灯を絶やすな」との思いで一致し、共同で出資する形で、孫六温泉の経営を地域で受け継ぎました。

孫六温泉 守り抜く湯宿・山の薬湯。湯治場の風情を残しつつ、2025年4月にリニューアルオープン。山の薬湯は湯浴み着着用の混浴風呂で堪能。乳頭温泉郷唯一のバレルサウナも

孫六温泉は、観光庁の補助事業「地域一体となった観光地・観光産業の再生・高付加価値化事業」も活用して改装し、25年4月にリニューアルオープン。「山の薬湯」といわれる秘湯の魅力はそのままに、「孫六温泉―六庵―」としてプライベート感のある宿に生まれ変わりました。湯浴み着着用で混浴露天風呂に入れるほか、乳頭温泉郷で唯一のバレルサウナは要チェックです!

七湯めぐり必須のアイテム「湯めぐり帖」

湯めぐり帖は、7軒(鶴の湯・妙乃湯・蟹場・大釜・孫六・黒湯・休暇村)の入浴が可能。宿泊客への限定販売で、価格は2500円(こども1000円)。各施設のフロントで発売中

七湯それぞれの魅力を堪能できる、乳頭温泉郷の宿泊客だけが購入可能な「湯めぐり帖」(大人2500円、こども1000円)を各施設のフロントで販売。販売から1年間の有効期間内であれば、7軒それぞれに1回入浴できます。さらに、乳頭温泉郷内を循環しているシャトルバス「湯めぐり号」に乗車できるというお得なアイテムなんです。

乳頭温泉郷内を循環しているシャトルバス「湯めぐり号」は、「湯めぐり帖」で乗車できる。日帰り客も購入できる「湯めぐりマップ」(1000円)でも利用できる

また、日帰り入浴客も購入できる「湯めぐりマップ」(1000円)は、入浴料は含まれていないものの、販売日に限って「湯めぐり号」が1日乗り放題に。日帰りで七湯を巡るならぜひともゲットしたいアイテムです。

蟹場温泉 深山の宿・離れの露天風呂。付近の沢に蟹が多く住むところから「蟹場温泉」と名づけられた。宿舎から50メートルほど離れた原生林の中に露天風呂があり、季節の移ろいを感じながら温泉を楽しめる

乳頭温泉郷の宿7軒は、23年7月に事業協同組合を設立。従来の温泉組合という任意団体から、県知事の認可による「乳頭温泉郷協同組合」に態勢を一新し、ブランディング、旅行者の誘客・受け入れ、人材の確保などへの取り組みを強化しています。

大釜温泉 懐かしき木造校舎。木造校舎を移築したユニークな宿。それだけに建物内部もノスタルジックな雰囲気が漂う。夏季は桶の足湯も設置されている

ブランディングの一環では、秋田県仙北市の「乳頭温泉郷」として、24年4月に地域団体商標への登録を実現。乳頭温泉郷協同組合が発足直後の23年9月に出願し、特許庁から登録が認められました。地域ブランドの保護、競争力の強化、地域経済の活性化につなげていく考えとの事で、今後の取り組みにも注目です。

休暇村 乳頭温泉郷 美しいブナ林・近代施設。美しいブナ林に囲まれた静かな宿。乳頭温泉郷の中では最も近代的な施設

乳頭温泉郷

【基本情報】
乳頭温泉郷協同組合
秋田県仙北市田沢湖

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