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【第3回】標高700メートル!高原リゾートで楽しむ“地獄めぐり”
雲仙温泉(長崎県雲仙市)は九州・島原半島のほぼ中央、標高約700mの場所にある高原リゾート。温泉は開湯1300年といわれる古い歴史を持ち、明治時代から避暑地、保養地として人気を集めるほか、1934年には日本第1号の国立公園として指定を受けました。
地中から高温の温泉と噴気が激しく噴出する「雲仙地獄」が、この地を代表する観光スポット。周囲に強い硫黄臭が立ち込め、湯けむりがもうもうと噴出するさまは、まさに“地獄”そのもの! 地獄の景色を一望する「八万地獄展望所」、噴気活動が活発な「お糸地獄」「大叫喚地獄」などは格好の撮影スポットが並びます。
一帯は散策路が整備されているほか、足を置くと地熱や噴気を体感できる「足蒸し」、地獄の蒸気を使って蒸し上げる名物の温泉たまごを販売する「雲仙地獄工房」などの休憩どころも。ホクホクの温泉たまごを頬張りつつ地獄めぐりを楽しむのが、定番の地獄めぐりスタイルです。
そんな雲仙地獄のエネルギー源は、長崎半島東岸と島原半島西岸に囲まれた橘湾(たちばなわん)の海底の“マグマだまり”と言われています。このマグマだまりから発生した高温高圧のガスが岩盤の裂け目を通って上昇し、その途中で化学反応を起こしていったん高温熱水に。その熱水の沸騰により生じたガスが激しい噴気となって現れているんだそうです。
雲仙の温泉は、このガスと周りの山からの地下水が混ざり合って生成されたもの。泉質は硫酸酸性の硫黄泉で、強い酸性を示します。最高温度98度。主成分は鉄イオン、アルミニウムイオン、硫酸イオンで、リウマチ、糖尿病、皮膚病に特に効果があるとされています。
地獄の熱を利用して温水をつくる「かんつけ」は古くから定着する、この地ならではのシステム。温泉街の旅館・ホテルが利用しており、自然を活用したボイラーいらずのエコなシステムは時代を先取り!?
温泉街に近い仁田峠は、春にミヤマキリシマ(通称:雲仙ツツジ)、夏に新緑、秋に紅葉、冬に霧氷と、四季折々の自然を感じられる人気のスポット。峠までは全長11.3kmのスカイラインが通じており、途中スギやヒノキの樹林を縫い、有明海、橘湾の海洋美や九重(くじゅう)連山の展望を楽しみながらのドライブが快適です。
峠の駐車場からは標高1,333mの妙見岳(みょうけんだけ)山頂を結ぶロープウエーが運行。半島と海の雄大な景色を一望する“空の散歩”は、きっと忘れられないひとときになるでしょう。
火山による肥沃な土地に恵まれた雲仙は、食の宝庫としても有名なスポット! 多種多様な農産物が作られ、山間部では酪農が盛ん。温泉の蒸気を使った蒸し料理など、主菜からスイーツまで揃った“雲仙グルメ”は要チェックです。
オススメは「雲仙ハヤシ」。古くから避暑で訪れた多くの外国人が味わっていたという、かつ丼にデミグラスソースをかけた丼料理にちなんだ、新たなご当地グルメです。お店によって個性あふれるメニューを提供しているので、ぜひお気に入りの雲仙ハヤシを見つけてみてはいかがでしょうか。
【基本情報】
・住所:〒854-0621 長崎県雲仙市小浜町雲仙320
・ホームページ:https://www.unzen.org/