特集
心身が甦る ZEN体験
洲本温泉
神秘的なパワーが宿るとされる日本標準時子午線(東経135度)上にあり、太陽の道(レイライン)線上に建てられた話題のリトリート施設が「禅坊 靖寧(せいねい)」。禅で心身を整える午前11時からの日帰りプランが用意されている。建物は建築界最高の栄誉「プリツカー賞」を受賞した坂茂氏設計による唯一無二の建築物。日本杉を組み合わせて作られた全長100mのウッドデッキでは木の温もりとともに陽光、澄んだ空気、雄大な緑を堪能できる。おすすめの日帰り通常プランは4時間のリトリートランチプラン。瞑想・ヨガや、日本の食文化「発酵」を大切にした禅坊料理、ZEN体験などのプログラムが設定されている。空中に浮かんでいるようなウッドデッキでの禅体験をぜひ体験してほしい。
国生み神話息づく淡路島。興味ある人におすすめは淡路島南端から連絡船に揺られ10分ほどの沼島(ぬしま)。イザナギとイザナミの二神が日本で最初に作ったオノコロ島だ。山頂から見下ろすと海から巨大な岩、天の御柱である上立神岩が突き出ている。山頂近くには二神を祀った神社がある。高さ21.7mの大鳥居は、平安神宮、厳島神社と並び「日本三大鳥居」の一つだ。
未来を感じるスポットなら淡路島北端にある「淡路夢舞台」。関西国際空港などを築くために土砂を採取した跡地が、建築家安藤忠雄氏のグランドデザインによって自然と一体化した壮大なランドスケープとなっている。2025年には北淡震災記念公園内に「アワジ・アースミュージアム」もオープン。阪神淡路大震災の爪痕を忘れずに語り継いでいく学びの施設だ。
泊まるならココ
紀淡海峡と大海原を眺めるラグジュアリーリゾート『ホテルニューアワジ』
「国宝」のワンシーンへ 歴史息づく町歩き
城崎温泉
城崎温泉のある豊岡市で訪ねたいのが出石町。大ヒット邦画「国宝」のロケ地となったのが近畿最古、明治34年開館の芝居小屋「出石永楽館」で、俳優の吉沢亮さんや横浜流星さんらが楽屋シーンのほか、舞台では『二人藤娘』などの演目を撮影したことで大きな話題を呼んでいる。映画の聖地めぐりで訪れる人も多い。出石町は古事記や日本書紀にも記された歴史ある町で、江戸時代を思わせる城下町の街並みが広がる出石城趾や出石家老屋敷、明治時代に建設された「辰鼓楼(しんころう)」、沢庵和尚が再興したことから沢庵寺とも呼ばれ、沢庵作の庭園が残る宗鏡寺など見るべきものが多い。空腹を感じたらぜひ、名物の出石皿そばを。関西屈指のそば処、約50軒のそば屋が街なかにある。かつて出石城主の松平氏と信州上田藩の仙石氏がお国替えとなった際に、仙石氏が信州からそば打ち職人を連れてきたのが出石そばの始まり。5枚1組が一人前で、薬味と出汁で味の変化を楽しむ食べ方が一般的だ。箸を立てた高さの枚数のそばを食べると一人前の男性といわれている。
泊まるならココ
・5万坪の森林庭園を抱く伝統と革新の宿『西村屋ホテル招月庭』
・創業165年、山陰随一の純日本旅館『西村屋本館』
ベイサイドで出会う 新しい神戸
有馬温泉
有馬温泉から電車やバスで身近な三宮駅から徒歩約20分。2025年誕生したのが神戸港の新たなランドマーク「TOTTEI PARK」。270度海に囲まれ、最大1万人を収容するアリーナ「ジーライオンアリーナ」を含めて周辺エリア全体を「TOTTEI」としてにぎわいを演出している。アリーナ周辺はプロムナードが整備されており、港町らしい風景を満喫しながらカフェやレストランなどが楽しめる。近い将来にはスーパーヨットとよばれる大型艇に特化したマリーナも整備される予定だとか。
また、三宮から好アクセスのベイサイドエリアには、ホテル・ラ・スイート神戸ハーバーランド直営の「ル・パン総本店」や「レストランカフェテラス アミ神戸」などを擁する「ラスイートルパンビル」が2025年にオープン。アートとアクアリウムが融合したアミューズメントで人気を集める劇場型アクアリウム「atoa」では、幻想的な風景のフォトスポット「MIYABI」や知的好奇心を刺激する書籍が並ぶ「atoa LAB」などが人気を呼ぶ。おなじみの北野エリアには神戸が誇る「食」を存分に楽しめるグルメ複合施設「神戸北野ノスタ」が2024年にグランドオープン。アーチ型天井の廊下など神戸らしいモダンな造りをリノベーションした館内ではオープンキッチンレストランやバーラウンジなども利用できる。
泊まるならココ
・創業700余年の歴史息づく有馬最大級の宿『兵衛向陽閣』
・有馬随一の眺望と多彩すぎるほどの施設を備えた宿『有馬グランドホテル』
・壮大な落葉山を眺める旅所豊かな宿『月光園鴻曨館』
被ばく者への眼差しと 抱腹おばあたち
湯村温泉
NHKのシリーズドラマ「夢千代日記」は原爆と戦争を見据えた作品で、主演の吉永小百合さん演じる温泉芸者であり、被ばく者でもある夢千代の切なくも悲しい物語が多くの人々の胸を打った。湯村温泉のある新温泉町の八幡神社には夢千代日記の脚本家・作家の早坂暁氏の碑が建っている。「雪深い土地に優しい人いて ひそかに一重の夢を織っている」と。この作品が生まれた背景だが、早坂氏は妹を広島の原爆で亡くしている。実は妹は捨て子で早坂家の子として育てられていたが、長じて自らの出生の秘密を知らされ、兄の早坂氏に会いたい一心で広島に向かい運命の日を迎えてしまう。復員途中の広島駅で早坂氏が見たのが廃墟の暗闇の中に燃え上がる無数のリンの光だった。妹はあの光の中にいたに違いない、と考えた早坂氏はその後、妹の面影を重ねた被爆少女が現代によみがえる作品を手掛けたり、「被爆者が描いた原爆の絵を街角に返す会」の会長も務めている。ヒロシマが忘れ去られてしまうことを懸念していたという。「夢千代館」を訪れたなら、そのことに思いを馳せながら臨んでほしい。夢千代日記に込められた早坂氏の願いは展示物だけではわからない。
ぜひとも訪れてほしいのが「遊月亭おばあかふぇ」。店頭には「人生のピークは90歳!! 反省しないことが元気の秘密」という幟、店内には「おばあの開運元気神社」がある。店員は10名、平均年齢76歳のおばあたち。壁一面のおばあ語録が面白すぎるし、トイレットペーパーやおばあの日めくり枯れんだーなどおばあグッズにも抱腹絶倒。噛み合わない会話、湯村弁丸出しのマシンガントークも愉快だ。おばあが焼く「根性焼き」やおばあの初恋の味「栃おはぎ」なども人気で、食べたり話すだけで気分がほっこりする。ファンクラブに入ることもできるので、ぜひ!
泊まるならココ
・全館全室天然掛け流し温泉の『朝野家』
・ユニバーサルデザインの行き届いた美食宿『佳泉郷井づつや』
