人気温泉旅館ホテル250選に5回以上入選の宿 特集記事

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長野~軽井沢、小諸~小淵沢
列車を選んでつなぐ信州路

長野から軽井沢へ、あるいは軽井沢から長野へ。約2時間半弱の列車の旅が満喫できる観光列車、しなの鉄道の「ろくもん」。長野では善光寺や戸隠神社を観光してから湯田中・渋温泉郷や野沢温泉方面へ…。軽井沢からは北陸新幹線へ…。そんなルートも選べる信濃路の旅。
もうひとつが小諸駅と山梨県の小淵沢駅を結ぶJR小海線、全31駅、78.9㎞の旅。愛称は八ヶ岳高原線。長野県側の主要駅は、しなの鉄道の接続駅小諸駅、小海線唯一の高架で北陸新幹線の上を通る佐久平駅、作詞家いではく氏の名曲「北国の春」にちなむ八千穂駅、JRすべての駅の最高の標高にあり、国立天文台のある野辺山駅など。山梨県側には人気リゾート地の清里、そしてJR中央本線への接続駅で小海線で唯一駅弁が販売されている小淵沢駅。実に変化に富んだ窓景色を堪能できる。八ヶ岳をモチーフにしたデザインの2両編成の観光列車「HIGH RAIL 1375」の利用もおすすめだ。懐古園など見どころが多い小諸では観光してから上田や長野方面へ。小淵沢からは白樺湖方面や上諏訪・松本方面へ、甲府方面へ。お好みでツアープランを立ててみてはいかがだろう。
野辺山でぜひおすすめしたいのが、世界的アーティストが奏でる音楽と森の静寂に抱かれる高原リゾート「八ヶ岳高原ロッジ」。中でも八ヶ岳高原音楽堂は「わずか250席、この場所でしか出会えない音がある」とコンセプトにあるとおり、内外の一流アーティストの公演を間近で堪能できる。2025年にはスタニスラフ・ブーニン、千住真理子、葉加瀬太郎、小野リサ、大江千里、仲道郁代、渡辺貞夫、一青窈、小椋佳、宮田大などの公演も行われている。敷地内には森景色を眺める快適な67室のゲストルームも用意されている。

信濃鉄道ろくもん

しなの鉄道「ろくもん」

JR小海線

JR小海線「HIGH RAIL 1375」

八ヶ岳高原音楽堂

八ヶ岳高原音楽堂

北斎と鴻山
一茶に出会う

小布施から眺める北信五岳

小布施から眺める北信五岳

湯田中温泉

湯田中へと向かう長野電鉄の小布施駅は北信五岳のベストビューポイント。その美しさにカメラを向ける外国人観光客も多い。ちなみに地元では、五岳のことを「まみくとい(向かって右から、ま・斑尾山、み・妙高山、く・黒姫山、と・戸隠山、い・飯縄山)」と覚えるそうだ。小布施といえば、様々なイベントで今なお熱狂を巻き起こす葛飾北斎。栗菓子で知られる名店「小布施堂」と敷地続きにある「北斎館」では、小布施ものと呼ばれる肉筆画を中心に版本、錦絵などを展示している。富士の高嶺を目指して昇天する龍に北斎自身を見立てた最晩年の傑作「富士越龍」、ふたりの遊女のしなやかな姿態を描いた「二美人」などの肉筆画も一見の価値がある。北斎が小布施の豪農にして文化人だった髙井鴻山の招きで初めて小布施を訪れたのは83歳のときで、生涯に4度訪れている。北斎が3年かけて製作したのが、鴻山が私財を投じて造り上げた屋台に描かれた天上絵「怒濤図」の「男浪」と「女浪」で、四周を彩る縁絵は北斎の下絵に鴻山が彩色したものだ。北斎の小布施での雅号は「画狂老人卍」。東京上野の誓教寺にある北斎の墓にもその雅号が刻まれている。
北斎館の隣には、江戸末期には文化サロン的存在で佐久間象山や久坂玄瑞なども訪れた「ゆう然楼」という陰宅が「高井鴻山記念館」となっている。鴻山が晩年に描いたという世相を風刺した妖怪画が実におどろおどろしい。北斎4度目の滞在時、88歳から89歳にかけての作品が岩松院にある天上絵「八方睨み鳳凰図」。大きさは畳21枚分で、どこから観ても鳳凰と目が合うように描かれている。この鳳凰図にはある絵が隠されているが、ここでは明かさないのでぜひ行って探してほしい。

小布施高井鴻山記念館

小布施高井鴻山記念館

葛飾北斎「鳳凰図天井絵彩色下絵」

葛飾北斎「鳳凰図天井絵彩色下絵」

岩松院の裏庭の池のほとりに立つのが、小林一茶の「やせ蛙 負けるな一茶 是にあり」の句碑。春になると今も大人の手のひら大のアズマヒキガエルがいずこともなく集ってくるそうだ。その一茶がこよなく愛したのが湯田中温泉。野尻湖のある信濃町柏原に居を構えていた一茶は、しばしば湯治に訪れて俳句を詠んだり、指導をしたという。湯田中にあるのが「一茶の散歩道」で、湯宮神社から世界平和大観音までの遊歩道に15の句碑が建てられている。湯にちなんだ句は「子ども等が雪喰いながら湯治哉」や「雪ちるやわき捨てある湯のけぶり 」など。冬の湯田中・渋温泉郷に訪れれば、湯の醍醐味に郷趣が増すことだろう。

一茶堂 一茶堂

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湯守が磨いた温泉を楽しむ『一茶のこみち美湯の宿』

塩田平を歩く
レイラインを歩く

上田市 生島足島神社摂社諏訪社本殿

岳の幟

岳の幟

別所温泉

別所温泉から上田市街地に向けて伸びやかに広がる扇状地、塩田平。上田はもともと雨が少ない地域で、塩田平には戦国時代末期から江戸時代にかけて農業用水を確保するために造られた数多くのため池が残っている。別所温泉で毎年7月に開催されているのが、選択無形民俗文化財に指定された雨乞いのお祭「岳の幟」だ。また、信州の鎌倉と名高い塩田平には見るべき寺社仏閣が多い。国の重要文化財は、弘法大師空海にちなむ中善寺薬師堂と前山寺。空海が雨乞いの祈祷をするために草庵を結んだと伝えられる中禅寺薬師堂は信州最古の木造建築。前山寺は空海が護摩修行の霊場として開創したといわれ、境内には二層と三層に縁と勾欄がないため「未完成の完成塔」といわれる三重塔がある。

前山寺三重塔 前山寺三重塔

上田の信濃国分寺から生島足島神社、別所温泉へと通じるレイライン(夏至の朝、太陽が日の出の際に地上につくる光の線)沿いにも神社仏閣が残る。レイライン始まりの信濃国分寺にあるのが、徳川軍と真田軍との争いの際に焼け残った三重の塔で、室町時代の様式を表すものとして国の重要文化財に指定されている。また生島足島神社は、平安時代の「延喜式」に「生島足島神社二座名神大」と載っているとおり、万物に生命力を与える「生島大神」と、万物に満足を与える「足島大神」の二神が祀られている。レイラインの終着地が別所温泉の源泉地、厄除け観音「北向観音堂」。手水舎では温泉で手を清めることができる。平安時代初期に比叡山延暦寺座主の慈覚大師円仁により開創された霊場。本堂が北向きという例は全国でもほとんどない。日本最古の禅宗様建築であり、木造の八角塔としては全国で一つしかない国宝八角三重塔とともに別所温泉を代表するスポットだ。

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文化庁有形文化財指定、大正ロマン息づく『旅館花屋』

9つの効能を
9つの湯で

渋温泉三番湯

三番湯

渋温泉「金具屋」

金具屋

渋温泉

石畳の道を挟んで旅館や土産店、飲食店などがずらりと軒を連ね、源泉が異なる9つの外湯(共同浴場)がある渋温泉。泉質は主にナトリウム・カルシウム-塩化物・硫酸塩温泉で、硫酸塩が多いところ、塩化物が多いところ、pHも4.0~7.6まで(弱酸性からと弱アルカリ性)と幅があり、9つの、それもすべて効能が異なる湯に源泉100%掛け流しで浸かることができる。詳しく説明すれば、一番湯・初湯(胃腸)、二番湯・笹の湯(湿疹)、三番湯・綿の湯(切り傷や皮膚病)、四番湯・竹の湯(慢性痛風)、五番湯・松の湯(神経痛)、六番湯・目洗いの湯(目・美肌)、七番湯・七操の湯(外傷性の障害)、八番湯・神明滝の湯(婦人病に)、九番湯・大湯(万病)。外湯めぐりの際には宿で巡浴手拭いを購入し、各温泉でスタンプを押していく。すべて押した後は、高薬師にお参りして祈願することもお忘れなく。

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国の登録有形文化財認定『歴史の宿 金具屋』

街ぐるみの温泉天国
野沢温泉

麻釜

常に90度以上の熱湯が湧出して大釜、丸釜、ゆで釜、竹のし釜、下釜の5つの大きな湯だまりをなしているのが奇勝「麻釜(おがま)」。13の外湯すべてが村の人たちの共有財産であるように、ここで山菜や野菜などをゆでたり、日常生活の中で野沢温泉の台所として大切にされている様子を見ることができる。さらにその温泉も江戸時代から「湯仲間」という制度によって守られてきたように、温泉が暮らしの中にすっかり根付いている。温泉は30余りもの源泉から直接引き込んでいるため、常に新鮮そのものの源泉掛け流しを堪能できる。

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