丸栄は富士山と河口湖に抱かれた自然の中に佇む。最上階の見はらし露天風呂『富士の湯』と貸切展望風呂『芙蓉の湯』からは富士山、もうひとつの見はらし露天風呂『湖（うみ）の湯』からは河口湖、この地を代表する二大景勝を心地良い温泉浴を楽しみながら堪能できる。

富士が生んだ名湯はさらに、日本各地の銘石を集め南アルプスの風景を表現した岩風呂・高温サウナ・スチームサウナ・温泉ハーブ湯を備えた大浴場「豪壮アルプスの湯」、洗い場をはじめ女性に優しい造りが好評の大浴場『若草の湯』にも引かれ、露天風呂とあわせ4カ所の風呂を男女入れ替え制で楽しめるのも嬉しい。

宿は河口湖の南岸に佇み、世界遺産の富士を湛えた日本有数の観光地にありながら、旅館街の喧騒を離れた静かなロケーションに位置することも大きな特色のひとつ。木の温もりを生かした客室は河口湖側のスタンダード和室を中心に、露天風呂付客室、ユニバーサルデザインを取り入れた展望風呂付和洋室など、用途に応じた多彩な部屋タイプが揃う。殊に特別階『野の花亭』は「宿の中にあるもうひとつの小さな宿」をコンセプトにした、わずか五室の純和風空間で、宿最高の料理ともてなしによる大人の癒しとくつろぎを献呈している。フロア中央の中庭、門口を備えた玄関、風景を満喫できる本間の造りなど演出・設えも見事で、憩う人を想う宿の心遣いが伝わってくる。

「料理の丸栄」として地元でも定評ある和会席と心豊かな和のもてなし、旅館情緒を満喫できる充実したパブリックスペースなど、宿の魅力は枚挙に暇がない。初春の歓迎御神酒、節分の豆まき、桃の節句のひな酒や端午の節句の折兜の振る舞いなど、日本の伝統行事を宿の装飾やもてなし、館内での手作りイベントに取り入れるなど、宿泊客に思い出深い時間を提供することにも力を注いでいる。季節を変え何度でも足を運びたい、富士山麓の風情と温かな人情が香る日本の宿だ。