牡蠣いかだが浮かぶ波穏やかな鳥羽生浦湾を眺める純和風の宿、悠季の里。客室は全室オーシャンビューで、本館6～9階に温泉露天風呂付特別室を中心とした8タイプの客室が揃う。何よりも嬉しいのが7タイプに日本旅館ならではの「部屋食」を満喫する独立したダイニングルームが用意されていることだ。例えば9階特別室のバリアフリータイプ和洋室は、プライベートスペースに10畳2ベッドと眺め麗しい温泉露天風呂、ミストサウナ付シャワーブースを備え、部屋食は個室食事処さながらのダイニングルームで堪能できる。

別邸『水の星』には和と洋の趣が調和する温泉付客室が3タイプ。中でも2階温泉露天風呂付特別和洋室は和室12.5畳とベッドルーム、ダイニングルームを備えた100㎡もの上質空間だ。温泉に浸かりつつ眺めるのは波穏やかな鳥羽生浦湾。海に近い客室のメリットだ。5階と3階には展望デッキもあり、湯上がりにも絶好だ。

鳥羽最古、1989年に掘削した源泉「珠光の湯」と、2014年に湧出した源泉「新・珠光の湯」。敷地内に湧出する2つの自家源泉を贅沢に楽しめるのが大浴場『まろびね庵』だ。女性湯、男性湯ともにユニークな名の5浴槽を備えている。驚くのは湯が肌にまとわりつくような入浴感としっとり感。高濃度アルカリ成分のなせる技だ。pHは珠光の湯が9.5、新・珠光の湯が9.8とそれぞれ高く、まさに美人の湯である。あつ湯とぬる湯の浴槽も用意され、誰もが安心して楽しめる。

夕食では伊勢海老やふぐ、鮑、浦村名物の牡蠣など季節折々の海の幸や松阪牛、伊賀米など地産地消にこだわって丹精込めて創り上げた和会席を堪能する。順よく運ばれてくる料理は味の芸術品。一品一品ごとに笑顔がこぼれる。