ねぶた温泉とは能登の庄の裏山、奥能登で一番高い高洲山の麓に湧く温泉。輪島の民話に「大変つるつるする湯」との記述が残るように、能登の庄の温泉は「pH10.２」もの高アルカリの天然温泉。「奇跡の湯」とも呼ばれている。これほど高数値のアルカリ泉は全国でもわずかで、5つ星の宿にもない。
pH10を超える強アルカリ性単純泉は古い角質層の新陳代謝を促進し、肌を柔らかく滑らかにしてくれる、まさに本物の「美肌の湯」。トロッとした湯に浸かればすぐに肌がツルッとしてくるのが実感できる。宿を訪れる多くの女性たちも「化粧水のよう！」と大絶賛し、1回の入浴で大ファンになると聞く。伝統の輪島塗の職人たちもこの温泉で漆にかぶれた肌を癒してきたそうである。
能登半島地震の影響で建物すべてが復興するには時間がかかりそうだが、宿では手始めに温泉施設の復興をめざすそうである。その暁にはぜひ輪島まで足を運んでほしい。日帰り入浴も用意されている。奇跡の湯は能登の庄あってのものなのだ。

奇跡のアルカリ泉を水平線への広がりとともに満喫できるのが2階展望風呂。１階には足元から湧き上がる湯が心地良い湯処『朝凪』『夕凪』を備えている。客室で温泉を楽しめるのが源泉100％掛け流しの露天風呂付特別室『高洲』や源泉100％半露天風呂付客室。山側には輪島ならではのおもてなし空間、世界的蒔絵師箱瀬淳一氏制作の輪島塗特大パネルが飾られた客室『天の川』が印象鮮やかな滞在を叶えている。

料理は漁師町奥能登ならではの2種の懐石料理。宿自慢の「創作懐石料理」はまさに海の幸と格調高く繊細な美しさ輪島塗のシンフォニー。料亭で修業を積んだ料理長が繰り出す料理は熟練の技の境地。その彩りや風味までも輪島塗の食器が華やかに引き立てている。もう一つが囲炉裏付個室で楽しむ「炭火焼懐石」である。炭火で焼く地魚がなんとも旨く、蔵元から届く地酒との相性も抜群だ。朝食は輪島の棚田が育んだ米や漁師町の珍味も味わえる。日本初の世界農業遺産「能登の里海里山」ならではの味わいの数々に箸が止まらない。館主が「この湯宿で能登を表現したい」と言うとおり、畳敷きの館内には伝統工芸品などが飾られ能登の情緒に癒されながら心休まるひとときが味わえる。