湯畑から徒歩1分に位置する奈良屋は湯守の文化を継承する老舗宿。明治10年の創業から147年間、常に「最高の状態の温泉」を提供することを使命としている。草津になくてはならない宿である。
宿の湯は草津最古の「白旗源泉」。この源泉を引いているのは草津でも7軒しかない。湯を365日24時間管理するのは江戸時代からの熟練の技を受け継ぐ2人の湯守だ。彼らは55度と高温の源泉を自然の傾斜を利用して冷ましながら引湯し、敷地内の湯小屋に一旦貯湯し、一晩寝かせた上で46～47度まで下げてから湯船に掛け流している。暑い日は湯量を少なくして湯温が高くなりすぎないように、寒い日は湯量を増やして湯温が下がりすぎないように見張って浴槽を42度に維持する。刺激の強い泉質のため、さらに手で丁寧に揉んで湯を柔らかくする。湯守でなければなし得ない技である。

そうやって仕込まれ、常に一定の状態で保たれているのが奈良屋の湯である。優しくなめらかな肌触りとなった湯は肌への馴染み具合も申し分なく、いつ訪れても「最高の状態の温泉」を楽しめることが宿の最大のもてなしとなっている。

夕食は趣異なる3つの個室食事処のいずれかで旬の素材を活かした四季折々の至高の献立を堪能する。料理人が目の前で握る寿司も好評と聞く。
最高の温泉と美食を堪能し、満足した夜は眠りが深い。