全館営業再開の道後温泉本館まで徒歩2～3分のホテル椿館。浴衣に着替えれば道後温泉本館の湯めぐりも、道後の街歩きも気軽に楽しめる。道後の魅力と身近にふれあうならこんな宿がいい。正面玄関で迎えてくれるのは矢がすりの着物に袴姿のハイカラなマドンナ孃。館内に歩み入れば、明治の時代にタイムスリップしたかのような吹き抜け空間に目を奪われる。「坊っちゃん」の舞台ならではの名演出である。

のんびりと湯篭もりを楽しむなら道後温泉を満喫できる特別室がおすすめだ。坪庭付「岩風呂付特別室」は宿最高ランクの優雅な和室。最大6名で利用でき、道後温泉を引いた展望岩風呂を贅沢に楽しめる。12.5畳と6畳の二間続きの広さも魅力だ。ベッドタイプの部屋も用意され、高齢者でも安心して過ごすことができる。また、最大7名で利用できるのが12畳と6畳の二間続きの「檜風呂付特別室」。ゆったりとした広さにも癒されながら檜香る湯船でプライベートに道後温泉が味わえる。

居心地にこだわるなら和モダンの趣の「和洋室」へ。ベッド2台を配した洋間スペースとクッションが置かれた畳スペースの空間が心地良く、心はずむ滞在を叶えてくれる。客室はこの他に10名で泊まれる「和室大部屋」や車椅子でも安心して過ごせるバリアフリー対応の洋室などが旅の選択肢に応えている。

椿館自慢の湯処は風流な日本庭園に囲まれた露天風呂と新装された重厚な御影石造りの大浴場。女性用が「紅鷺の湯」、男性用が「白鷺の湯」。入れ替えの煩わしさもなく、３千年の歴史の湯をじっくりと堪能できるのが嬉しい。夜にはライトアップされた庭園の幽玄な雰囲気も楽しめる。

夕食は宿泊プランに応じて会席料理またはビュッフェで瀬戸内の海の幸や地の恵み、四季折々の旬の味覚を堪能する。個室や和個室で満喫する会席料理は人気ナンバーワンの「伊予牛と鯛会席」や「鯛と海老の饗宴会席」、「贅沢会席」。腕利き料理人たちが瀬戸内の新鮮な魚介類と自然豊かな山々で育った旬野菜の持ち味を活かし、一品一品真心をこめて調理する料理は誰もが納得する美味しさである。
広々とした「レストラン・ビュッフェツバキ」で楽しく賑やかに味わうビュッフェは、オープンキッチンからの焼きたてステーキ、お寿司や天婦羅など和洋折衷のバラエティメニュー。ゆったりとしたテーブル席も用意されている。

椿館が演出するとっておきの楽しみが夕食後の8時40分からロビーで開催される郷土芸能「水軍太鼓ショー」だ。戦国の世に瀬戸内海を席巻した村上水軍。大迫力の太鼓の響にその歴史を偲ぶのも旅の思い出になる。ぜひご観覧いただきたい。